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平成25年12月定例会−12月10日-05号

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  1. 佐賀市議会 2013-12-10
    平成25年12月定例会−12月10日-05号


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    平成25年12月定例会−12月10日-05号平成25年12月定例会  平成25年12月10日(火)   午前10時00分   開議           出席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │ 1.江原新子 │ 2.高柳茂樹 │ 3.村岡 卓 │ │ 4.宮崎 健 │ 5.永渕史孝 │ 6.野中康弘 │ │ 7.松永憲明 │ 8.実松尊信 │ 9.松永幹哉 │ │10.野中宣明 │11.山田誠一郎│12.山下伸二 │ │13.白倉和子 │14.中本正一 │15.池田正弘 │ │16.川副龍之介│17.久米勝博 │18.川崎直幸 │ │19.重松 徹 │20.中野茂康 │21.山口弘展 │ │22.山本義昭 │23.江頭弘美 │24.重田音彦 │ │25.平原嘉徳 │26.武藤恭博 │27.堤 正之 │ │28.松尾和男 │30.千綿正明 │31.中山重俊 │ │32.山下明子 │33.西岡義広 │34.福井章司 │ │35.嘉村弘和 │36.黒田利人 │       │ └───────┴───────┴───────┘           欠席議員 ┌───────┬───────┬───────┐
    │29.川原田裕明│       │       │ └───────┴───────┴───────┘           地方自治法第121条による出席者 佐賀市長        秀島敏行   副市長         御厨安守 副市長         赤司邦昭   総務部長        伊東博己 企画調整部長      石井忠文   経済部長        池田 剛 農林水産部長      田中泰治   建設部長        松村 健 環境部長        竹下泰彦   市民生活部長      西川末実 保健福祉部長      田中 稔   交通局長        眞子孝好 上下水道局長      金丸正之   教育長         東島正明 こども教育部長     貞富博文   社会教育部長      荒金健次 選挙管理委員会事務局長 石丸賢司   農業委員会事務局長   鬼崎哲也 監査委員        松尾隼雄   会計管理者       金山真博 ○黒田利人 議長   おはようございます。これより本日の会議を開きます。  日程により、昨日に引き続き市政一般に対する質問を続行いたします。 ◆松尾和男議員   おはようございます。4年ぶりの質問になります。  通告をしていましたまちづくりについて、3項目について質問いたします。  佐賀は何もないとよく言われますが、4月から施行されます佐賀市まちづくり自治基本条例の前文に、「わたしたちが暮らす佐賀市は、脊振山系の緑豊かな山々、そこから流れ出す嘉瀬川を抱く佐賀平野、有明海といった自然に恵まれたまちです。先人たちは、この豊かな自然を大切にしながら、歴史や文化をつくりあげ、多くの人材を育んできました。これらを受け継ぎ、子どもたちが大好きなふるさととして誇れるまちをつくりあげていくことは、わたしたちの使命です。」とうたってあるように、豊かな自然があり、能楽、茶道、華道、また人生訓としての葉隠と、文化面でも多彩であります。  また、奈良、平安時代には肥前国庁が置かれ、古代肥前国の政治の中心であったことがわかりますし、慶長年間の佐賀城下形成時以来400年にわたり佐賀県の政治、経済の中心都市で栄えてきたことは紛れもない事実であります。  さらに、幕末から明治にかけては、明治政府で活躍した七賢人を初めとして近代日本を築く人材を輩出し、築地反射炉から始まる世界文化遺産候補に挙がるような近代工業化の先駆者であったということは歴史が物語っています。  そこで、まず1点目は、佐賀市の歴史観ということについてお尋ねをいたします。  次に、世界遺産についてお尋ねをいたします。  日本の世界遺産は、本年6月に富士山が世界遺産登録され、自然遺産13件、文化遺産4件の17件が登録をされています。さらに先般、和食が無形文化遺産に登録されました。大変喜ばしいことであります。  佐賀市においても、築地及び多布施の反射炉跡、精煉方跡、三重津海軍所跡について暫定リストの「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の一つということで、世界文化遺産への登録を目指し発掘調査が行われています。そのうち三重津海軍所跡につきましては、合併前から発掘調査が行われておりまして、本年9月に推薦が決定をしたというところでございます。  そこで、世界遺産登録への今後の流れについてお尋ねをいたします。  3つ目に、長崎街道の整備についてお尋ねをいたします。  長崎街道は、御存じのようにシュガーロードとも呼ばれ、小倉から長崎まで、また旧佐賀市においては佐賀城下ということで構口から高橋までの約6キロメートルであり、合併を機に久保田宿まで延びています。昭和11年に旧34号線が完成するまではメーンストリートでありまして、バスも走っていたという事実もございます。昭和の終わりまでは町人町の名残が数多く残っておりました。開発が進み、また高齢化ということで古い建物が空き家となり、解体をされ、面影がだんだんなくなっていっているという事実もございます。  旧佐賀市は、昭和61年3月に佐賀新風土づくり計画を策定され、昭和62年から3カ年をかけて佐賀城下の長崎街道を中心に歴史的建造物129件の所在調査をされております。今議会で市長は、所信表明で、「柳町地区を中心として、歴史的建造物を活かした街並みの活用や整備を進め、まちのにぎわいを創出していきたい」と言われましたが、具体的にどういうものかをお尋ねして、総括を終わります。 ◎荒金健次 社会教育部長   おはようございます。私からは、佐賀市の歴史観を問うという御質問にお答えいたします。  佐賀市の歴史観を問うとの御質問でございますが、ほかの表現をいたしますと、佐賀市の歴史遺産をどのように評価し、活用していくのかということと思いますので、次のとおり佐賀の歴史概観を述べた上で、歴史遺産の評価、活用についてもお答えいたします。  佐賀市は平成17年及び19年の2度の市町村合併で、北は脊振山地、南は有明海に達する広大な市域となり、多種多様な歴史遺産が存在しております。本市を代表する歴史遺産といたしましては、約7,000年前の日本最古級の湿地性貝塚である東名遺跡がございます。縄文時代の海面上昇の影響で一気に粘土層が堆積したため、普通の遺跡では残らない編みかごなどの植物性遺物が良好な状態で発見されております。  古代には、肥前国を統括する役所でありました肥前国庁跡がございます。その周辺では、穀物などを保管する正倉や国司の館跡と想定される大型の掘立柱建物群が発掘調査で確認され、国分寺や国分尼寺、古代官道など、古代の政治、文化の中心地であったことを示す遺跡が数多く存在しております。  戦国時代には龍造寺氏が有力な戦国大名となり、隆信のころには支配地域が広がり、五州二島の太守と仰がれております。隆信とたびたび激戦を繰り広げた神代勝利の居城である三瀬城や、大友軍を撃退した今山古戦場跡などは、この時代の特筆すべき歴史遺産となっております。  隆信没後には重臣の鍋島氏が台頭し、隆造寺氏の居城であった村中城を拡張整備し、領国経営の拠点となった佐賀城がつくられます。城の外周には武家屋敷、また城下町北部には長崎と小倉を結ぶ長崎街道があり、沿線などには町人町が形成され、今でも歴史的建造物が残っております。  幕末の歴史遺産には佐賀藩の製鉄、造船などに関する産業遺跡がございます。中でも三重津海軍所跡は平成25年3月に国の史跡に指定され、明治日本の産業革命遺産の構成資産としてユネスコの世界文化遺産への推薦が決定されております。  また、無形民俗文化財としては、佐賀市独特の浮立や九州唯一の田楽などの伝統芸能も多数継承されてきております。このほかに徐福や鑑真のような言い伝えや伝説といった伝承遺産、葉隠などの精神文化も佐賀の歴史文化の奥行きをさらに深いものにしております。  佐賀市には、国宝や重要文化財のように指定を受けた佐賀県を代表するような文化財や、各地域にはその地域の特性を持った魅力あふれる有形、無形の文化財が存在しております。これらは地域コミュニティの形成に大きな役割を果たすとともに、郷土愛や地域の誇りを醸成するための重要な歴史遺産であると考えております。  佐賀市では、これらの数多くの歴史遺産の保存と活用を図るため、佐賀市文化振興基本計画や佐賀市固有の歴史的風致の維持及び向上を図るため、佐賀市歴史的風致維持向上計画を策定しております。今後は、これらの計画に沿った適切な保存と活用に努めていきたいと考えております。  以上でございます。 ◎石井忠文 企画調整部長   私のほうからは、まず2点目の御質問の世界遺産登録の今後の流れについてお答えいたします。  日本政府は、ことし9月に三重津海軍所跡を含みます「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」をことしの世界文化遺産の国内推薦として決定いたしました。これに伴い、9月末には推薦書の暫定版がユネスコ世界遺産センターへ提出されたところでございます。来年、平成26年1月末までには正式な推薦書を提出する予定となっており、現在は国と構成資産を持つ自治体が一体となって、その調整作業に取り組んでいるところでございます。  提出した正式な推薦書がユネスコ世界遺産センターに受理されますと、その後、ユネスコの諮問機関であります国際記念物遺跡会議通称イコモスと呼ばれている専門的な組織が、世界遺産としてふさわしい資産群であるかどうかについて調査を開始いたします。イコモスは来年の夏から秋ごろには現地調査も行い、その翌年の平成27年の春ごろに、調査結果に基づきましてユネスコ世界遺産委員会に対しまして登録に関する勧告を行います。そして、その勧告をもとに、平成27年夏ごろに開催されますユネスコ世界遺産委員会で、世界遺産への登録の可否が決定する予定となっております。  世界遺産登録に関する今後の流れは以上のようなものでございます。  3点目も私に対する質問でございますので、続けて御答弁いたします。  3点目の御質問の柳町地区を中心とした歴史的建造物を活かした街並みの活用や整備、まちのにぎわい創出における具体的な内容についてお答えいたします。  長崎街道沿いに位置する柳町は、明治、大正期の歴史的建造物が多数残る地域であります。ここは国の指定を受けました佐賀市歴史的風致維持向上計画の重点区域にも含まれ、景観形成地区にも指定している区域でございます。また、中心市街地活性化基本計画実践プログラムであります街なか再生計画においては、中心市街地のにぎわい再生の一核となる歴史、文化の拠点として、呉服町とともに柳町が位置づけられております。  柳町地区の街並み保全とにぎわいづくりのために現在進めている事業といたしましては、柳町歴史的建造物等活用事業がございます。これは、佐賀市歴史的風致維持向上計画に基づき実施している事業でございます。柳町地区の街並み形成を担う重要な建造物である森永家住宅及び旧久富家住宅の改修工事を行い、活用を行うものであります。今年度から改修工事を実施し、平成27年2月のひなまつりに合わせて公開、活用する予定としております。  明治、大正にかけて建てられたこの2つの建物を活用しまして、歴史的建造物の価値や魅力を引き出すとともに、柳町のにぎわいづくり話題づくりを図るために活用者の公募を行っているところでございます。現在、森永家住宅及び旧久富家住宅の1階につきましては活用者が決定をしております。選定した活用者は、長期にわたり柳町のにぎわいづくりを創出していただくと同時に、地域の一員として地域活動への積極的な参加を通しまして、柳町のまちづくりにも寄与していただくことを強く期待しているところでございます。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   それでは、一問一答ということで、まず歴史観のほうから行きますけれども、今るる歴史的な背景というものを述べていただきました。特に合併をいたしまして範囲が広くなったわけですけれども、歴史的風情を残しているというのをですね、もう少し具体的な場所等を教えていただければと思います。 ◎荒金健次 社会教育部長   お答えいたします。  先ほど原始、古代から幕末までの佐賀市域における歴史概観を申し述べましたが、それぞれの地域に、それぞれの時代性を持った歴史的風情を残しているエリアがございます。その中でも特筆するならば御城下絵図の範囲、つまり平成23年度に策定いたしました佐賀市歴史的風致維持向上計画における事業範囲が、広い意味での歴史的風情を残しているエリアということができるものと考えております。 ◆松尾和男議員   今のことにつきましては、長崎街道というところでちょっともう1つ質問させていただきます。  次に、昭和37年に「佐賀市の文化財」ということで佐賀市のほうで発刊をされておりまして、昭和50年に再刊を出されております。(資料を示す)これが見本です。さらに平成3年には「佐賀市の文化遺産」ということで発刊をされておりますが、合併をいたしまして、先ほど言いますように範囲がかなり広くなっておりますので、文化財等も多くなっているということもございますので、今後、改訂して出される予定があるかどうかをお尋ねいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   平成3年に発刊されました「佐賀市の文化遺産」は、その後、国、佐賀県、佐賀市で指定された文化財を加え、平成15年3月に改訂されております。それ以降の改訂はされておりませんが、合併後の指定文化財は合計215件になっておりますので、当然改訂の必要があり、作業を進めているところでございます。現在の作業状況といたしましては、説明文の文体統一や加筆修正及び写真撮影の業務を行っているところでございます。平成26年度末までにはこれらの業務を完了させまして、その後、新しい「佐賀市の文化遺産」としてまとめたいと考えております。 ◆松尾和男議員   平成26年度には発刊をされるということで、楽しみにしておきたいというふうに思っております。また、質問する材料をつくっていただければ大変ありがたいかなというふうに思っております。  今申しましたように歴史的、文化的なものが佐賀市にはいっぱいあるわけですけれども、子どもたちが大好きなふるさととして誇れるまちということにはですね、学校教育ということが大切なことだというふうに思っております。その中で、愛国心、郷土愛を育てるということが大事でありまして、そのためには郷土学習が大変大切であるというふうに思っておりますので、そのことについて御答弁をお願いいたします。 ◎東島正明 教育長   学校教育における郷土学習をどう捉えているかということでございますけれども、郷土学習というのは当然この自然、それから、そこで育まれた文化や文化遺産、そして歴史、産業、幅広く含むものと考えております。佐賀市の教育基本計画の中には、目指す子ども像の一つとして、佐賀を誇りに思い、愛着を持つ子どもの育成というのを掲げております。その具体的な学習の機会が、各学校での郷土学習ということになります。  郷土学習につきまして各学校はどうしているかということですが、全小・中学校において年間の指導計画の中に位置づけておりまして、計画的に学習をしているということでございます。また、各学校では、主たる教材としては教育委員会が作成をしております「わたしたちの佐賀市」、あるいは「さがの七賢人」、これが中心でございます。また、「ふるさと佐賀市再発見」というのもつくりましたが、これはちょっと今、下火になっているようでございますが、主にこの2つが中心でございます。  また、佐賀市内の全小学校4年生、それから全小学校6年生を対象にして、ふるさと学習支援事業を計画して実施をしております。これは市内の豊かな自然や文化的、歴史的な遺産、佐賀の偉人を学ぶために、現地を訪れて体験的な学習を通して学ぶという機会をつくっているところでございます。  いずれにいたしましても、教育委員会といたしましては、各学校の地域性を生かした郷土学習を推進してまいりたいというふうに考えております。 ◆松尾和男議員   今、各学校の特性を生かしてという答弁をいただきましたけれども、教育委員会を初め各校区や地域では、歴史や文化を地元の方が編集をされて本を出されておると。例えば、私は日新ですので、日新校区であれば日新小学校が執筆をした「日新読本」というこういう本がございます。(資料を示す)それからまた、いろんな地域で今、本を出されておりますけれども、それはどういうふうに活用をされているか−−また、当然活用すべきだと思いますけれども、その辺についてお尋ねをいたします。 ◎東島正明 教育長   各校区地元でその地域に関する図書というのがたくさん発刊をされております。とみに最近も多くなってきているようでございます。各地域で各種の郷土資料が発行されておりますけれども、この幾つかの例を挙げてみたいと思います。  例えば、公民館が主体となってつくったものの中には、西与賀校区の「西与賀みてあるき」というハンドブック、あるいは蓮池校区の「蓮の池の七大人」、若楠校区の「わかくす探訪」、中川副校区の「川副史談〈1〉鹿江兼明の時代」等がございます。  要は、これをどういうふうに使うかということでございますが、誰を対象にしてつくったかによっても非常に使い勝手が違ってまいります。子どもを対象にして、学習の対象としてつくったものについては非常に使いやすいんですが、そうじゃなくて余りにも専門過ぎるとか、そういうことになるとなかなか難しく、教師がそしゃくをして教えるということになってしまいますけれども、いずれにしても、こういう地域でつくったものは地域の学校ではぜひ活用させていただきたいというふうに思っております。  これらの活用をちょっと具体的に幾つか申し上げてみますと、若楠小学校、ここでは「わかくす探訪」という本でございますが、3年生と6年生の社会科の学習で使っているそうです。地域子ども教室で校区内を探訪するときにも活用しているそうです。それから赤松小学校赤松小学校は、佐賀城周辺地域コミュニティ再生委員会によって、「佐賀城とともに〜赤松の歴史と文化〜」というのが作成されました。これは5年生の総合的な学習の時間で調べ学習に使っております。また、議員に御紹介いただきました日新小学校では、5年生が総合的な学習の時間の中で、これはPTAの方が執筆されたと聞いておりますけれども、「日新読本」を使って反射炉を中心とした校区の歴史を学習しております。また、6年生でも社会科の歴史学習、あるいは修学旅行の事前学習ということで、この「日新読本」を使っているというふうに聞いております。  私どもは、目指す子ども像の一つに挙げていますので、この郷土学習は大変重要だと位置づけをしておりまして、円滑に進むようにということで、ほとんどの学校の図書館、あるいはその周辺に郷土学習資料コーナーをつくっております。そこでは郷土にかかわる資料を展示をして授業で活用したり、あるいは子どもたちが自発的、自主的に自由に閲覧をし、みずから学ぶようにして子どもたちの郷土学習の学びを支援しているところでございます。今後とも、この郷土学習については力を入れて取り組んでまいりたいというふうに考えておるところです。  以上です。 ◆松尾和男議員   子どもにつきましてはですね、今学校等で活用しているということでございました。実は、公民館を回ってみますと、各公民館には図書館があるわけですけれども、そこでもやっぱり社会教育という意味では多くの方に見ていただく必要があろうかというふうに思っています。そういう意味で、なかなか自費出版に近いような形で本数が少ないというふうに思っておりますので、その辺についてですね、教育委員会としてもう少し配慮をしていただいて、多く本を出していただくと。そのためには、財政的な支援をしていただくということも必要でしょうし、また、公民館の活用ということも大変重要かと思いますので、その辺についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。 ◎東島正明 教育長   確かに学校で活用する、あるいは地域で活用するということになりますと、それ相応の冊数が必要になってまいります。そうなりますと、どうしても出版部数というのがキーポイントにもなりますし、また内容的にも誰を対象にしてつくるかということも課題となってまいります。そういうところにつきましては、関係課と十分協議をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆松尾和男議員 
     続きまして、世界遺産についてお尋ねをいたします。  先ほど来言われておりますように、佐賀市が今候補として挙げている遺産はですね、今、世界遺産の中で先ほど言いました日本に17あると言いましたけれども、大変地味なものというふうに思っております。そのため、啓発ということが大変大事だと思いますし、応援団というのが当然必要だなというふうに思っております。そういう意味で、市民活動団体がどういう取り組みをされているかということについてお尋ねしたいと思っております。 ◎石井忠文 企画調整部長   世界遺産登録にかかわる市民活動団体の取り組みについては、これまでに佐賀伝承遺産研究会NPOまちづくり研究所などの団体により継続的な取り組みがなされております。最近の新しい取り組みといたしましては、国史跡三重津海軍所跡保全会の発足がございます。この保全会は、諸富町と川副町の自治会を中心とする地域の各種団体により構成され、ことしの5月に設立をされました。今後、三重津海軍所跡で行う交流イベントの開催や地域を挙げての清掃活動等を通して、三重津海軍所跡に対する市民の理解や世界遺産登録に向けた地元の盛り上げに取り組んでいただくということをお聞きしております。  佐賀市といたしましても、三重津海軍所跡の保全と活用にかかわる地元住民の自発的な組織の発足は、世界遺産登録を進めていく上でも大きな力になると考えており、今後の活動の成果に期待を寄せているところでございます。  また、この保全会からの要請を受けまして、現在、佐賀市も三重津海軍所跡世界遺産登録に関する住民説明会を開催しているところでございます。この説明会は、三重津海軍所跡の内容や世界遺産登録の取り組みについて知っていただくため、諸富町と川副町の住民を対象に8月から行っているものでございまして、これまで43カ所で開催し、およそ900人の方に参加をいただいております。今後、未開催の地区におきましても引き続き実施していく予定でございます。このように市民団体の活動との連携を図りながら、世界遺産登録の推進に向けた機運の醸成に取り組んでいきたいと思っております。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   今ですね、諸富町、川副町という一部の地域では確かにそういう動きがあるかもしれません。しかし、世界遺産となったときにはですね、もう少し全市的な動きが必要じゃないかなというふうに思っております。そのためには、もっともっと市民にアピールすることが必要でしょうし、また、ただ、これが専門的な関心を持たないとなかなか興味を持たないような遺跡だというふうに思っておりますので、大変難しい面もあろうかと思いますけれども、もう少し幅を広げるようなことについて方策はないかなというふうに思っております。  例えば、日新小学校ですと、子どもが日新小反射炉ガイドということで今取り組んでいますし、私、地元では日新歴史と文化の活用を考える会ということを立ち上げてですね、日新校区の反射炉ということで今動いております。そういう意味で、もう少しほかに動きがあれば教えていただきたいと思いますけれども。 ◎石井忠文 企画調整部長   これまでも世界遺産の啓発といたしましては、佐賀県の世界遺産登録推進室と連携しながらいろんな形でPR活動しておりました。例えば、先般ございましたバルーンの開催時におきましてもブースを立ち上げまして、そこで今現在行っている登録に向けた活動内容、また三重津海軍所の価値についても啓発をやっております。それから、各支所、あるいは本庁になりますけれども、看板の設置とか、あとラッピングバスでの啓発とかパンフレット、いろんなイベントの際のパンフレットの配布、そういうことによって全市的な盛り上げについて取り組んでいるところでございます。  住民説明会につきましては、地元の保全会の設置に基づきまして自治会長と話し合った結果、まずは地元の人たちがしっかりこのことについて知ることが大切と、そういう話の中から今集中的に説明会をさせていただいておりますけれども、その他の地域につきましても、そういう機会があればぜひともまた啓発活動、説明会をやっていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   そういうことで、啓発はよろしくお願いをしておきたいというふうに思います。  三重津の海軍所跡、それからまた多布施の反射炉跡にもですね、今興味を持ったかなりの方が見えております。その辺の来訪者等のカウントはされているのかどうか、お尋ねいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   三重津海軍所跡、築地反射炉跡の見学者数をカウントしているのかという御質問でございますが、佐野常民記念館の来館者につきましてはカウントしており、月ごとに集計されております。しかし、三重津海軍所跡自体の見学者ということになりますと、遺跡そのものの見学ができない状況であり、また歴史公園内の散歩やグラウンドゴルフを目的として訪れる方もいらっしゃいますので、見学者の把握はできない状況でございます。  築地反射炉につきましては、今、議員おっしゃられたように日新小学校子どもたちにボランティアガイドをやってもらっておりますので、それを申し込まれた方の人数を確認することはできます。しかし、休校日やガイドなしで見学される方も多数おられますので、その方々の人数につきましてはカウントしてないために把握できない状況でございます。ちなみに、日新小学校でガイドした人数を申し上げますと、平成23年度が131名、平成24年度が189名、平成25年度、これは10月まででございますが116名、3年間で合計436人となっております。 ◆松尾和男議員   なかなか見学者をカウントするのは難しいかもわかりませんけれども、とにかく多くの方が興味を持って来ているということだけはですね、忘れないでいただきたいと思っております。  で、今回ですね、日新の反射炉跡につきましてはまだ調査が続行しておりますけれども、多布施の反射炉跡、それから精煉方跡については大体発掘が終わったというふうに思っておりまして、そこも含めて三重津の海軍所跡が構成遺産に推薦をされました。そのことについての理由をお尋ねいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   三重津海軍所跡が構成遺産として位置づけられましたのは、その歴史的な価値が高いことと、もう1つは、地下の遺跡としての保存状態のよさ、つまり世界遺産登録に求められる完全性の高さが評価されたためでございます。この評価には現在、大部分が佐野常民記念公園という形で発掘調査可能な状態で保存されているということも含まれております。 ◆松尾和男議員   残念ながら今回、多布施の反射炉跡、それから精煉方跡については推薦から漏れたわけですけれども、ただ、今言った2つの遺跡はですね、民有地にあるわけですね。なかなか訪れたくても訪れられないというようなこともございますので、今後の保全ということについてはですね、どういう考えをお持ちなのかをお尋ねいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   多布施反射炉跡と精煉方跡を今後どうするのかという御質問でございますが、まず平成21年度に行いました確認調査について説明いたします。  多布施反射炉跡は民間企業の敷地内にございまして、反射炉本体やその東側で溶かした鉄を流し込んで砲身をつくるための設備であります鋳坪を確認しております。佐賀藩銃砲沿革史に掲載されている絵図面を見てみますと、鋳坪を挟んで東側にも同規模の反射炉があり、また敷地内には関連工場等の施設が広がっていたことが見てとれます。確認調査の結果と絵図面から反射炉跡の現況を見てみますと、反射炉本体部が民間企業の敷地内にあり、周辺関連施設は個人住宅の下に広がっているという状況でございます。  次に、精煉方跡でございますが、調査で江戸時代の建物跡が確認されております。現地では精煉方が存在した当時の地形が今も残り、遺跡の上に近代の盛り土がなされていることから、施設等の痕跡が良好な状態で残っていると考えられます。しかし、理化学研究所としての主要部と推定される地点には、現在建築物などが建っており調査できませんので、中心部がまだわからない状況でございます。  以上のようなことから、築地反射炉跡を含む3遺跡につきましては、今回、世界遺産構成資産候補にはなりませんでしたが、佐賀市にとって貴重な歴史遺産であることは間違いありません。今後の取り扱いにつきましては、まず関係各課で協議を行い、将来的な方向性を検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆松尾和男議員   精煉方跡については個人の所有物の中にあるということで、なかなか私どもも見学をさせていただきたいということでお願いしますけど、個人的な理由でお断りをされるという状況でございます。ただ、貴重な遺跡でありまして、そこを見てみたいという方はかなりいらっしゃいます。そういうことで、そこの個人の方との連携をとっていただいて、できるだけ見られるような形にしていただければなというふうに思っております。  次に、築地反射炉跡についてお尋ねをいたしますけれども、築地反射炉跡は日新小学校が今あるところにあったということで、日新小学校は明治45年に現在地に建設をされております。その後ですね、幾度となく改築、新築をされているわけですけれども、実は埋蔵文化財という調査をされていないというふうにお聞きしておりますので、なぜされなかったのかということをまずお聞きしたいというふうに思っております。 ◎荒金健次 社会教育部長   築地反射炉跡は、昭和42年に佐賀市史跡に指定されております。しかし、これは遺跡の位置を確定してからの指定ではなく、この周辺に反射炉があったという記念碑として製作された反射炉模型周辺の狭い範囲を指定したものでございまして、その地点以外の開発につきましては何の制約もかからないものでございました。このような状況で日新小学校が建てかえられていきましたので、埋蔵文化財の発掘調査には至りませんでした。簡単に申し上げますと、日新小学校敷地の全てが周知の埋蔵文化財包蔵地として認定されていなかったわけでございます。  そのような状況ではありましたが、平成9年度の屋内運動場建設に際しましては、歴史的に反射炉がこの周辺に想定されるとの認識に私どもが立ちまして、一歩踏み込んだ形で事前に埋蔵文化財の確認調査を実施いたしました。その結果、鉄を精製する過程でできる不純物である鉄滓をわずかに検出いたしたところでございます。  その後、小学校における改築工事等はございませんでしたが、平成15、16年度には佐賀城本丸歴史館開設準備に伴う幕末期の文献調査が行われ、築地反射炉が日新小学校敷地北側にあった可能性が高くなったわけでございます。平成19年には幕末佐賀藩の産業遺跡を世界遺産に登録しようという機運が高まり、平成21年度には世界遺産登録を目指した重要遺跡確認調査を文献調査で存在する可能性の高まった北側校舎東側部分で行いました。その結果、耐火れんがや鉄滓など反射炉本体位置を特定するための手がかりとなる重要な資料を得ることができました。この結果を受け、平成22年3月には築地反射炉跡として埋蔵文化財包蔵地の周知化、認定を行うことができ、現在まで確認調査を実施しているところでございます。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   今、毎年追加で調査をされております。今だんだん範囲が狭まってきまして、大体この辺ではないだろうかというふうな、本体位置をですね、特定できるところまで来ているのかなというふうに私自身は思っておりますけれども、ただ、いつまで調査をされるかということがちょっと私どもではわかりません。当然ですね、私としては本体が見つかるまでは調査をしていただきたいというふうに思っていますし、多分ここだろうというふうな推定は今できておりますけれども、その場所を特定するというところまで調査をされるのかどうかについてお尋ねをいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   先ほどの答弁でもお答えしましたように、今年度も文化財の確認調査を実施し、現在まで10カ所を数えております。  これまでの調査成果でございますが、平成21年度、22年度に北側校舎の東側で調査を行いました。反射炉本体は確認されませんでしたが、鉄を溶かすときに出た不純物である鉄滓や反射炉の建材として用いた耐火れんがなどが出土いたしました。  平成23年度には、絵図資料に基づき、反射炉本体と関連施設が十間堀川の南側に所在することがわかりましたので、十間堀川の南端を確認するため、北側校舎と学校敷地境界間の部分で調査を行いました。反射炉本体の確認には至りませんでしたが、十間堀川の南端を確認したことで反射炉本体が存在すると推定される範囲を狭めることができました。  平成24年度には、給食室の北側部分の調査を実施いたしました。この調査では初めて、反射炉とは限りませんが、関連施設の基礎と考えられる掘り込みに石を敷き詰めた敷石遺構と、その上部で質の異なる土を5センチメートルほどの幅で積み上げた版築層が確認されております。  平成25年度は特別教室棟の南北で調査を実施いたしたところでございますが、両調査区ともに後世の掘削、掘り起こしを大きく受けており、特筆すべき遺構は残念ながら確認されませんでした。  以上のように反射炉本体の発見には至っておりませんので、佐賀市といたしましても今後の調査継続の必要性を感じているところでございます。 ◆松尾和男議員   今、場所が大体特定できてきたかなというふうに思っておりますので、もし特定できたとした場合に世界遺産の追加登録が可能かどうか、お聞きいたします。 ◎荒金健次 社会教育部長   今後の調査で反射炉本体が確認できた場合、世界遺産に追加登録ができるのかということでございますが、それは今後の調査の結果において確認される反射炉本体がどれだけ良好な状態で残っているのか、そして、それが評価の基準を満たしているのかが大きく影響してまいります。発見された状況次第では、将来的な追加登録の可能性は残されていると思っております。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   追加登録になるように発掘を続けていただければというふうに思っております。  では、続きまして、長崎街道について質問いたします。  長崎街道と先ほどから言っておりますけれども、全体の整備計画ということを私は平成11年の6月議会からずっと議会のたびに申し上げておりまして、なかなかその計画が見えないというのが私の感想でございます。  実は、柳町地区はですね、先ほど来言われておりますけれども、民俗資料館を通して新しいまちをつくられておりまして、これは人がつくったまちだというふうに私は思っております。ただ、それに比べまして、今、観光パンフレット等に載っておりますのこぎり型家並みを含め、歴史的建造物がかなり多くあります日新地区、特に城下町の西部地区には古い形でまだ残っているというふうに思っております。そういう意味で、全体の計画をどうされているのかを、まずお聞きいたします。 ◎石井忠文 企画調整部長   長崎街道やその沿線の整備ということを佐賀城下の全体計画と捉え、お答えいたします。  佐賀城下町を形づくっていた江戸時代の町割りや、その骨格となった街路や水路は、その多くが現在まで引き継がれております。このことは、公益財団法人鍋島報效会が所有されております御城下絵図と現在の地図を重ね合わせました佐賀城下まち歩きマップを見れば御確認いただけます。特に城下町を東西に通る長崎街道は、一部を除きまして道筋も道幅もほぼ当時のままの姿で継承されております。  また、議員がおっしゃいますように、長崎街道を中心に多くの歴史的建造物が残されております。しかし、所有者の世代交代や建物の十分な維持管理が行われないことなどから、老朽化を防ぐことができず、取り壊されていることなどが課題となっております。  また、長崎街道におきましては、老朽化や新たな道路整備によりまして他の道路との区別がはっきりせず、長崎街道をたどることが難しいところも出てきております。このような状況を改善する一つの方法といたしまして、平成20年に国が制定いたしました地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律に基づき、平成21年から佐賀市歴史的風致維持向上計画の策定に着手し、平成24年3月に国の認定を受けたところでございます。  この計画は、佐賀城下町及び長崎街道の整備についての全体計画として位置づけ、歴史的建造物の保全とともに長崎街道の整備も実施することとしております。歴史的建造物につきましては、所有者からの相談も受け、補助事業などを提案しながら歴史的建造物の維持や活用について協議を行い、保全に努めております。  また、長崎街道は、この整備によりまして道筋が明確になり、容易に散策できるようになることから、沿線に残る歴史的資産や歴史的建造物を探訪しながら佐賀の歴史に触れ合うことができるものと考えているところでございます。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   先ほど申し上げましたけれども、佐賀城下町の西部の長崎街道については、まだ古い街並みが残っているというふうに思いますし、ことしも佐賀市景観賞に古い商家を改築したということで認定をされました。そういうところが何カ所か今もまだ残っております。そういうものも含めまして、全体もそうですけれども、そういう西部地区の保全ということについてお尋ねをいたします。 ◎石井忠文 企画調整部長   佐賀城下町の西部になります八戸一丁目から八戸二丁目にかけての長崎街道沿いのエリアには、比較的多くの歴史的建造物が継承されております。その中でも八戸一丁目周辺の長崎街道沿いは、のこぎり型家並みを見ることができる数少ない地区でございます。こののこぎり型家並みは、その周辺にある歴史的建造物と相まって独特の歴史的景観をつくり出していることから、議員が言われましたように、観光パンフレット等への採用、また写真撮影のポイントや子どもたちのスケッチ大会などの場としても活用されております。  この歴史的景観が今まで保たれてきた理由といたしましては、長崎街道沿線に建つ歴史的建造物の維持をされている所有者の御理解、また地域に残る歴史的資産を大切にしようとする地域の方々の熱い思いがあるからこそと理解をしているところでございます。  また同時に、歴史的建造物を維持していくためには、その維持修理費の負担が所有者にとって大きな問題となっていることなど、多くの課題があることも認識をしております。このため、市といたしましては、国、県、市が持つさまざまな助成制度や補助事業などを提案しながら歴史的建造物の維持や活用について協議を行い、このような歴史的景観の保全について所有者や地域の方々と一緒になって取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。  以上でございます。 ◆松尾和男議員   とにかく保全を図っていただければというふうに思っております。  それでは、世界遺産、それから長崎街道ということで、トイレということについて御質問をいたしますが、実は先般、日新歴史と文化の活用を考える会で史跡探訪を行いました。その折に築地の反射炉跡、多布施反射炉跡、それから精煉方跡と行きましたけれども、トイレはという問題になりました。実は、三重津海軍所跡につきましては、先ほど来言われておりますように佐野常民記念館及び外にトイレがございます。それから、多布施の反射炉跡についてはちょっとトイレがございませんけれども、精煉方跡につきましては多布施の公園の中にトイレがございます。それからまた、築地反射炉跡につきましても日新小学校の中にトイレがございますが、このトイレが実は施設開放用のトイレということで、日新小学校の子どもも使いますし、また社会体育や地域行事等でもよく使われております。ただ、老朽化をしておりまして、なかなかイメージ的にも余りよくないというようなこともございます。  先ほど来言っていますように、来訪者もあるわけですので、今よく言っているおもてなしということもございますので、とにかく日新小学校のトイレを早く整備をしていただきたいと思いますが、そのことについてお尋ねをいたします。 ◎貞富博文 こども教育部長 
     日新小学校の屋外トイレにつきましては、先ほど議員もおっしゃられたように老朽化が進んでおります。また、男女共用でバリアフリーにもなっておりませんので、改修を検討しているところでございます。整備を行うに当たりましては、先ほどおっしゃられたように、訪れる方−−観光客とかそういった方々に対する配慮も含めて考えていきたいというふうに考えております。 ◆松尾和男議員   当然今の場所で可能かどうかということもございますので、場所の問題、それからまた、できれば反射炉ということもございますので、シンボル的なものを入れていただければいいかなというふうに思っております。  それでは、最後に市長にお伺いいたします。  今回の市長選で秀島市長は、マニフェストに、「歴史・文化」は佐賀人の誇りであり、「歴史・文化」を後世に引き継ぎ、世界遺産への登録を目指し、「歴史のまち さが」の実現の起爆剤にするというふうに言われております。このことについては私も同感でございますけれども、3点お尋ねをいたしていきたいというふうに思います。  まず、毎年市長においでいただいておりますけれども、日新まつりで反射炉の副産物であるカノン砲に点火をしていただいておりますけれども、改めて築地反射炉についての認識をお尋ねいたします。 ◎秀島敏行 市長   築地反射炉ですね、一番古いというふうに私は思っているところでございますが、その部分が先ほどから話があっていますように上に建物が乗ってしまったということでですね、発掘が十分になされていないということでございますが、これはやっぱり貴重な遺産だと思います。随時調査をですね、できるところから進めていきたいと、そういうふうに思っています。 ◆松尾和男議員   先ほど来お答えがあっているように多分給食室の下あたりじゃないだろうかと今推測があっております。もしそこに本体があるということになったときに、給食室を壊してでも調査をするという決意があるのか、お尋ねいたします。 ◎秀島敏行 市長   思いはそういう部分にありますが、改修の時期等々見合わせて合理的なやり方ですべきだと思います。 ◆松尾和男議員   とにかく本体が出るように努力をしていただければというふうに思っております。  それから、先ほど来言っておりますけれども、歴史、文化を後世に引き継ぐということであれば、世界遺産の登録を目指すということになれば、なおさらその価値を若者や子どもたちへ知らしめていくということで啓発が必要と思いますけど、その辺について市長のお考えをお尋ねいたします。 ◎秀島敏行 市長   おっしゃるとおりであります。世界遺産というのは、ただそこにあって、それを観光的に使うとかなんとかそういうものじゃなくて、その貴重な世界遺産ですね、先輩たちが苦労して、特に産業遺産でございますので、残した部分を後世にその成果とあわせてつないでいかなければいけないというのがやっぱり世界遺産登録への私たちの課題だと思います。そういう意味からしますと、当然、若い人たち、子どもたちにもその内容とその大事さも受け継いでいかなければなりません。そういう動きを私たちはしていかなければならないと思っています。 ◆松尾和男議員   それでは、最後の質問になりますけれども、先ほど来言っておりますように、「歴史のまち さが」ということを実現させるということを市長は言われておりますけど、それがどういうことなのか、また、どういうまちづくりを目指されているのかについてお尋ねをして、質問を終わります。 ◎秀島敏行 市長   先ほどからの質問の中にですね、広くなった佐賀市の中にはたくさんのそういう歴史的な宝物があると。遺産があると。こういったものをやっぱり大事にしていかなければならないと。そういうことを大事にすることによって、潤いと風格のある佐賀市ができるものと思っています。そういう立場からまちづくりをしていきたいというふうに思います。 ◆重松徹議員   自民市政会の副会派長を仰せつかっております重松徹でございます。それでは、通告しておりました2点について順次質問をしてまいりたいと思います。  その前に、通告しておりましたワンコイン・シルバーパス購入助成については、白倉議員の質問に対する市長の答弁で理解できましたので、取り下げをさせていただきます。  それでは、まず1点目は、市長の政治姿勢と3期目の取り組みについて質問をいたします。  市長もよく地域経済の活性化という言葉を使われますが、まずは国内、県内の経済情勢について、若干私なりに思うところを申し述べたいと思います。  ことしも残すところ、あと21日になりました。2013年の日本経済は、長期化したデフレからの脱却や経済再生への足がかりを目指す年になり、経済回復を最重要課題と位置づけ、大胆な金融緩和、また機動的な財政政策、そして民間投資を促す成長戦略、これを3本の矢として掲げた安倍内閣は総事業費20兆2,000億円の緊急経済対策を策定して、年初めから活発な政策を打ち出し、スタートしました。このアベノミクスによって、株価上昇に見られるように、着実に日本経済の回復が続いていると感じております。内閣府が11月14日に発表した7月から9月期の国内総生産、GDPは実質で前期比0.5%増で、年利換算で1.9%増と、四半期連続のプラスとなっております。  こういった国内の状況の中で佐賀県内の状況を見ますと、7月から9月期の企業経営動向調査では、売り上げが増加したと回答する企業が40%台に乗り、また経常利益が増加したと回答する企業が37%に達し、ともに4期連続で上昇するなど、総じて見れば県内経済も着実に改善傾向を示していると思います。しかし、一方では、経常利益が減少したとする回答が増加したとする回答とほぼ同水準に上がっているほか、自社−−自分のところの景況感が前年度比で悪くなったとする回答が2割強と、依然として時流に乗り切れない企業も存在しているのも現状であります。特に、製造業を中心に原材料が高騰し、仕入れ価格が高どまりになり、利益が見込めない企業が多いこともうかがえます。  大都市圏を中心に期待先行で動き始めた今日の景気回復ですが、持続性を持って地方都市まで裾野を拡大していく必要があると思います。そのためには、来春の消費税増税による駆け込み需要の伸びではなくて、本当の意味での企業の前向きな設備投資と雇用の拡大による所得改善に伴う勤労者世帯の消費支出の押し上げに期待するしかないと思います。  先般、政府において、来春からの消費税率引き上げに対応し、経済の成長力の底上げを図るため、経済政策パッケージが決定されました。これは各企業の努力に加え、所得拡大促進税制や設備投資減税などの政策が打ち出されております。これによって、県内においても、今後、老朽化設備への投資や新規雇用の拡大、また官民ともに給与、賞与の増加の動きがあって、少しずつ着実に裾野が広がっていくことを今後期待したいものであります。  このように、先行きは決して楽観はできませんが、先行きへの期待感は依然として高い水準にあるということが言えると思います。これが国内、県内景気の現状判断と当面の見通しであります。  こういった状況の中で、10月20日、佐賀市長選挙が行われ、激戦の末、現職の秀島市長の続投が決定したわけであります。まずは秀島市長、大変おめでとうございます。今回、市長選の論戦の焦点となった地域経済の活性化や福祉の充実など、3期目はどのような政策をされるのか、市民の期待は大きいと思います。  そこで、質問ですが、秀島市長が掲げた佐賀市の「創」仕上げについてお伺いいたします。若干開会日の市長の所信表明の繰り返しになるかもわかりませんが、よろしくお願いいたします。  続いて、2点目として、私の8月定例議会の一般質問のあのビゼンクラゲに次ぐ第2弾ではありませんが、ジャンボタニシ問題について質問をいたします。  なぜこの時期かといいますと、冬場のトラクターの耕うん効果が非常に高いということ、そしてジャンボタニシの発生面積が全国で福岡県に次ぎ第2位ということ。そして先月、11月23日の農業新聞に、奈良県の県立高校の農業クラブの生徒たちがジャンボタニシの捕獲用餌を考案し、その実験結果を見ると、ことし6月に水田に生徒が考案した餌を入れたわなを仕掛け、仕掛けたその水田は、在来の普通のタニシの生息密度はジャンボタニシの3倍だったが、24時間後に回収したわなに入っていたのは全てジャンボタニシだったということであり、この餌がジャンボタニシを選択的に引き寄せていることがはっきりしたと書いてありました。これは在来のタニシの生息密度を減らさずに済むのが特色で、生徒たちは生態系の保存にもつながり、また環境にも影響のない駆除方法として農業現場で普及活動を図っているということであります。このことは、別の意味で日本の農業を思う取り組みだと感じ、その応援もあって、今回の質問となったわけであります。  このジャンボタニシは、一時は市内でも異常発生をしておりましたが、今は幾分ピンク色した卵が減ったような気がいたします。以前は水田やクリークのコンクリートの壁面、排水路、用水路など、いろんなところで見られました。私の知るところでは、このジャンボタニシは食用目的として海外から輸入されたと聞いております。しかし、これがどこの原産地で、その生態もよくわからないのが現状であります。佐賀県では稲の苗やレンコンが食害被害に遭うということでありますが、実際どうなのか、そこら辺をお聞きしたいと思います。  そこで、まずこのジャンボタニシの生態についてを総括質問とし、あとは一問一答で質問していきたいと思います。  以上、この2点ですが、それぞれに答弁をいただき、総括質問といたします。 ◎秀島敏行 市長   これからの私の政治姿勢について基本的な姿勢を問われましたので、お答えいたします。  私は平成17年10月から2期にわたり市政のかじ取りを任され、現場100回や公平・公正を基本とし、市民の皆様との対話を続けながら市政運営に取り組んでまいりました。その最大の目的は、縁あって合併したそれぞれの地域が、お互いの地域を尊重し、理解し合いながら、24万人の佐賀市民が一体となって新しい佐賀市をつくり上げていく機運を醸成していくことでした。また、それと同時に、市民の皆様の暮らしを豊かにする新たな種もまいてまいりました。この8年間で種をまき、芽を出し、茎を育て、それが今、着実に花を咲かせようとしていると思っています。この花を咲かすことが、市政3期目を任された私が目指す佐賀市の「創」総仕上げであると強く認識しているところであります。  さて、提案理由説明の冒頭でも申し上げましたが、これからの取り組みにつきましては、雇用の充実、経済の活性化、安全、安心なまちづくりなどを喫緊の課題とし、引き続き必要な施策を実行してまいります。  まずは雇用の創出を最重要課題と位置づけ、工業団地の計画の推進と企業誘致により新たな雇用の創出を図ってまいりたいと思います。  中心市街地の活性化につきましては、公共的施設の誘致等により活力を導き出してまいりましたが、今後、佐賀駅周辺にコンベンションを誘致できる施設等を整備するなど、まちなかから駅までを一体的に整備し、まちの活力の向上を図ってまいります。  また、これまでもごみ焼却施設から出る熱源を利用した発電や下水処理後に発生する汚泥の堆肥化などに取り組んでまいりました。さらに、これから一歩進んで、地球環境に負荷の少ない都市を目指して掲げておりますバイオマス産業都市さがの実現を目指した取り組みも進めてまいりたいと思います。  さらに、来年秋には合併から10年目に入るわけでございますが、節目の年となります。合併したそれぞれの地域がお互いの地域を尊重し、理解し合いながら、24万の佐賀市民が一体となって新しい佐賀市をつくり上げていく機運は醸成されてきたと認識しており、さらに市民の融和を進め、新たなまちづくりに邁進してまいりたいと思います。  今後は本庁と支所との機能を含めた組織の見直しの検討を行うとともに、地域コミュニティ活動の充実を初め、地域資源の一層の磨き上げと活用により、それぞれの地域間での交流を充実させてまいりたいと思います。  そして、3期目となる今期は、より多くの市民の皆様に、佐賀市に住んでよかった、佐賀市に住み続けたい、住んでいる地域に愛着を持てるといった幸福感の向上を感じていただけるような佐賀市を目指し、誠心誠意、全力で市政運営に臨んでまいりたいと思っています。  以上です。 ◎田中泰治 農林水産部長   私のほうからは、ジャンボタニシの生態についてお答えいたします。  スクミリンゴガイ、通称ジャンボタニシは、1978年から1980年にかけてアルゼンチンから台湾へ、そして翌年の1981年に台湾から日本へ、食用として養殖を目的に輸入をされております。しかしながら、需要が上がらなかったことから廃棄したり、養殖場から逃げ出したりしたものが野生化をし、水稲に被害を及ぼすようになっております。  生態について申し上げますと、卵は雑草や用排水路のコンクリートの壁面に1回の産卵で約320個、年間で最大約8,600個の卵を産みつけます。産みつけられた卵は非常に鮮やかなピンク色をしておりまして、通常、気温が25度ぐらいの温度条件で二、三週間でふ化し、約2カ月で3センチ程度の大人の貝に成長をいたします。  この貝は気温が14度以下では活動を停止して休眠状態に入り、水落ち後の水田では浅く土壌に潜って越冬をし、用排水路では橋の下や土管の中、また圃場整備後の圃場では用排水路のパイプラインの中などの暖かいところで越冬をし、気温が上昇しますと、また活発に活動を始めます。クリークなどで増殖した貝は、水田に水をくみ上げるときや大雨で冠水したときなどに水田に侵入をしております。また、田植え後二、三週間までの若いやわらかい稲を好んで食べ、被害をもたらしているところでございます。  以上でございます。 ◆重松徹議員   それでは、一問一答に移りたいと思いますが、まず、総括で、秀島市長より市長が目指す佐賀市の「創」仕上げについて答弁をいただきました。3期目となる今期は、幸福感の向上をより多くの市民の皆さんに感じていただけるような佐賀市を目指して、全力で市政運営に臨む決意であると述べていただきました。そして、特に重点的に取り組む5つの事業についても説明がありました。首長として先頭に立って、これらの事業を積極的に推進してですね、市民の幸福度アップのために、まず幸福の種をまき、芽を出し、茎を育て、そして幸福感満載の花を咲かせたいということが「創」仕上げということで、本当に熱意を感じさせる言葉じゃなかったかなと思います。ぜひ大輪の花を咲かせていただきたいなというふうに思っております。  市長公約の重点事業はですね、非常に連動しておるとは思いますけれども、短期的、中期的、長期的に分かれると思います。そういった視点に立って、今後の市政運営をしていかれる考えだと思います。  佐賀市の「創」仕上げとして5本の矢を公約されたわけでございますけども、そこで、この重点事業の中から質問をさせていただきますけども、先日の中本議員と重複する部分があります。しかし、中本議員は中長期的な展望に立った質問が主でございましたので、そこは避けてですね、短期的な重点事業についてのみ質問させていただきます。  まず、支所の再編の問題でございますけども、これもちょっと繰り返しになりますけども、市長は佐賀新聞のインタビューに対し、ここにありますけども、市民の方の「位置的な問題を考慮すれば、交通手段の確保という意味で不便さを感じさせない場所に施設があるほうがいい。」と。また、「行政のスリム化と、どう両立を図るかだが、災害対応や早急な復旧という面を考えれば、今の段階で支所統合は考えられない。支所は残した上で、災害対応で最低限必要な人員の配置など支所機能の在り方を含め協議していきたい。」と。そして、「住民に不安を残したままでは、公約に掲げた幸福感の向上にはつながらない。」と答えられております。  そこで、支所の再編成問題について、再度市長の見解をお伺いいたします。 ◎秀島敏行 市長   支所の機能のあり方については、さきの合併ですね、最初の合併から10年、それから2回目の合併からは8年後に、そのことについて再度議論をするというような約束事、確認があっているというのは事実でございます。それに向けて、今、準備を進めているところでありますが、私が見る限りにおいて、やっぱり窓口というような部分での大事さ、それからもう1つは災害時の対応ですね、こういったものを見ると、今の時点で支所を統合するとか廃止するとか、そういうことは考えられないというふうに思います。特に、その中でも災害ですね。災害の種類といいますか、災害の対応はかなり違ったものを求められます。中山間地、いわゆる山手の部類での対応、それから平野部での対応、同じ平野部でも海べたと中央部ではまた違ってまいります。浸水の対応、あるいは海べたに行きますと高潮というですね、恐ろしいものもございます。そういったものにそれぞれ対応する。そして、今それぞれの排水機場等を含めて、役所で求められている対応というのもやっぱりある程度持続をしていかなければなりませんので、そういったものでの対応という面からしますと、支所をなくすということは考えられないというふうに思います。  それと、支所のあり方についてですね、それじゃ、今のままでもいいかというと、そうではない。充実させなければならない部分も出てくるかもわかりませんが、やっぱりさきの福井議員の質問のときにも出てまいりましたが、合併後10年で地方交付税の算定が変わってくるというふうになってまいりますと、当然、減額になるということを覚悟しなければなりません。それに合わせたところで、できるだけスリム化というのも求められてくると思います。そういったものの度合いというものをどういうふうにするのかですね、当然、役所のほうでも担当部署でそういった案をつくってまいりますが、そういったものを十分市民の皆さんたちと議論を行い、意見等も取り入れさせていただいて、議会と十分議論をして確定をしていきたいと思います。 ◆重松徹議員   特にですね、支所のあり方等についてはですよ、特に災害時のことが一番重要であるというふうに言われましたけども、ここ10年のデータを見ておりますとですね、非常に自然災害が急増しております。記憶に新しいところでは、フィリピンを襲った台風30号ですか。本当に大変な被害をもたらしたということで、最大瞬間風速が102.7メートルと、ちょっともうとてつもないですね、考えられないような感じだと思いますけども、家はひとたまりもないと思います。本当に地球温暖化が進む中で、専門家に言わせれば、こういったハリケーンみたいな超大型台風が今後ですね、九州にも上陸する可能性もあるということを言われております。  本当に災害に備えてですね、市長言われましたように、佐賀市は災害の対策本部組織がありますけども、特に支所がないとですね、どうしても地域の情報が入ってこないと。また、緊急指令も出せないということになれば、本当に地域の住民は情報が入ってきませんので、どうしたらいいか、本当に不安に駆られると思います。そういうことを考えるとですね、やっぱり幸福感のかけらも感じないような市になってくるんじゃないかと思います。そういった災害時のことを考えますと、市長言われるようにですね、支所機能は必要だというふうに思います。  あと、行政のスリム化のことも言われましたけども、この両立をどう図っていくかだと思います。それで、私たちが議会の合併検証調査特別委員会で長野県の松本市と茨城県の笠間市を視察に行きました。松本市は大体人口が24万人ということで、佐賀市と余り変わりません。ここはですね、平成17年に合併して、5つの支所体制となっています。これまでの本部体制からですね、そういった各課体制にするということで、合併時は35の課があったんですけども、平成20年度に25減らして10課に縮小しています。そして、平成25年度、今年度ですけども、また5支所全て1課ずつに縮小するということで、各5支所とも1課ずつということで統一されております。笠間市もですね、支所は残して課の縮小を図っておられました。  このように、支所を残してですね、行政スリム化は、こういった先進事例もありますので、これは可能だと思います。これから市長の意向を受けて協議されると思いますが、とにかく市民に密着したサービス体制がとれる形でですね、今後、進めていただければなというふうに思います。  次に、市長は、世界有数のバルーンのまちということで、日本初のバルーンミュージアムを整備して世界各地から観光客誘致を図るとともに、バルーンの産業化を目指したいと言われております。  このバルーンミュージアム建設については、今、計画中だと思います。そこで、これは池田部長にちょっとお聞きしたいんですが、計画中のバルーンミュージアムの概要はどうなっているのか、お伺いをいたします。 ◎池田剛 経済部長   バルーンミュージアムの概要でございます。  現在、基本構想を策定中でございます。この基本構想策定に当たり、いろんな方々の意見を参考とするために、ことしのバルーンフェスタの期間中に熱気球関係者とのワークショップを開催いたしました。また、バルーンフェスタ会場にお越しいただいた方にアンケートをとるなど行ったところでございます。今後、こうした意見に加え、地元の熱気球関係者とも打ち合わせを行いまして、構想の取りまとめを行っていきたいというふうに考えております。  また、概要ということでございまして、場所の件とかも申し上げますと、場所につきましては検討中でございますが、交通アクセスなど、機能や中心市街地活性化の視点からも中心市街地エリアの中に設置するのが適当ではないかというふうに考えております。  今後の整備スケジュールでございますけども、まず今年度、基本構想の策定を行っておりますけれども、今後、基本設計、実施設計を経まして、平成28年度に、現在、誘致を進めております熱気球世界選手権開催、これの誘致を進めておりますけれども、この前にオープンを目指したいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆重松徹議員   このバルーンミュージアムの件についてはですね、ワークショップをされて、またそこに来られた人たちにアンケート調査もされたということでございますけども、聞くところによると、バルーンミュージアムの立地、これは大事だと。バルーンミュージアムのですね、立地が問題だということで、そのワークショップの中でも出たのが、バルーン関係者は風雨で競技が中止になった場合を考えて、嘉瀬川河川敷とか言う方もいらっしゃったそうでございますし、また中には、やっぱり中心市街地の活性化のためにも市の中心部がいいということが出たということを聞いております。  駅前案というのはまだ出ていないようでございますけども、私がちょうど2年前にですね、バルーンミュージアムじゃないんですけども、バルーンを中心としたサテライト会場を駅周辺につくったらどうかという質問をいたしております。その当時、池田部長はまだそこまでは検討していないという答弁でありました。これがいよいよですね、やっぱり建設になるとですね、とにかく平成28年の世界大会に間に合わすということでございますけども、とにかく場所の問題が大事だと思います。  この場所がまだ決定していないということでありますけども、その選定していない中で、このバルーンミュージアムの建設によって交流人口をどれぐらい見てあるのかですね、ちょっとお尋ねいたします。 ◎池田剛 経済部長   現在、構想を策定しているところでございますので、この構想策定に当たって想定している人数ということで述べさせていただきますと、入館者を5万人ぐらいは入れたいなと。そのほかの利用者も含めまして、これはバルーン関係者なども集まってくるような場所にしたいというふうに考えておりますので、1年間に合計7万人ぐらいの方には御利用いただきたいと、こういったことを想定して、今、構想策定に取り組んでいるところでございます。
    ◆重松徹議員   大体年間7万人ということで、これはあくまでも構想策定中でございますのでですね、また幾分変わってくると思いますけども、とにかくバルーンミュージアムによって多くの観光客が佐賀市を訪れて、駅前とか中心市街地の回遊人口がふえることをですね、期待したいと思っております。  これに関しては、先ほども言われましたけども、市長はですね、2016年のバルーンの世界選手権を佐賀市に誘致して、競技のレベルなど全てにおいて世界最高の大会の開催を目指すと言われております。  そこで、この世界選手権というのはどういうものなのか、関係者以外はほとんど知らないと思いますので、池田部長にちょっとそこら辺の説明をお願いしたいと思います。 ◎池田剛 経済部長   熱気球の世界選手権というのは、国際航空連盟、これはFAIと申しますが、加盟各国の代表選手による熱気球競技の世界大会でございます。最初に行いましたのは1973年でございまして、おおむね2年に一度開催されております。各国のトップクラスの選手を集めて行われている大会でございまして、熱気球競技の世界一を決める、いわば熱気球競技のオリンピックに該当する権威ある大会であるというふうに言えると思います。  佐賀でも過去に2回、1989年−−これは平成元年でございます−−と1997年−−これは平成9年に当たりますが−−に熱気球世界選手権を開催いたしております。 ◆重松徹議員   熱気球のオリンピック大会と言えるということですね。佐賀市の前回の選手権から16年がたっているということでございましたけども、今回、さらにパワーアップして、3回目の開催に臨まれるわけですけども、大会を受け入れるところはですね、やっぱり候補地となるところは大会受け入れ態勢とかですね、競技能力が問われてくると思いますけども、そこら辺、佐賀市としてはどうなんでしょうか、お伺いいたします。 ◎池田剛 経済部長   毎年国際大会を開いているわけですけれども、毎年開催しておりますバルーンフェスタと比較いたしますと、まず海外からの選手や関係者が相当多く集まる大会になるというふうに思っております。海外からの選手が大半を占めることになりますので、多くなるということになります。このため、受け入れ態勢につきましては、過去に2回、世界選手権を開催した実績がございますので、これを踏まえて、これに携わった人間がたくさんおりますので、こういった方々からの御意見などを頂戴しながら準備を進めてまいりたいというふうに考えております。  また、競技の内容についてでございますけれども、国際航空連盟加盟各国の代表選手が集まる大会でございますので、例年のバルーンフェスタと比較して、競技レベルが大変高い大会になります。例えば、昨今の世界選手権ではハイテク機器を駆使した競技が多く取り入れられているということでございますので、こうした部分にも対応する必要があるというふうに考えております。 ◆重松徹議員   佐賀市は2回の経験を踏まえて、受け入れ態勢とかですね、競技レベルも非常に高いけども、受け入れは大丈夫だということだと思います。世界選手権の開催地決定の時期はいつごろなのか、お伺いいたします。 ◎池田剛 経済部長   開催地の決定につきましては、国際気球委員会、これはCIAと申しますが、これの定例本会議の中で各国代表者によります投票で決定されます。オリンピックと同じようなやり方になると思います。  今回、佐賀市が誘致しております2016年、これは平成28年でございますが、この第22回熱気球世界選手権につきましては、平成26年、すなわち来年でございます、来年の3月22日にスイスのローザンヌで開催されます国際気球委員会の定例本会議の中で決定されることとなっております。現在、佐賀市のほかに、アラブ首長国連邦のドバイと、それからアメリカ合衆国のアルバカーキを加えた3都市が立候補を表明しているという状況でございます。 ◆重松徹議員   そしたら、決定はもうすぐですね。16年前の佐賀大会は、聞いたところ、38カ国から関係者が約2,000人来たということで、そしてまた観客動員数が107万人ということで、今までで最高の大会になったということを聞いておりますけども、今回の大会はさらにレベルアップしてされるということで、相当期待が持てるわけでございますけども、決定まで余り時間がないようでございますけども、そこで、誘致に向けてのですね、誘致活動というのはどういったことを行っておられるのかですね、お尋ねいたします。 ◎池田剛 経済部長   まず、日本国内に向けてでございますけれども、やっぱりオリンピックと同様でございまして、地域の盛り上がりというのが大切でございますので、まず日本国内に向けてはポスターとかチラシを作成いたしまして、また佐賀市所有の熱気球に「2016熱気球世界選手権を佐賀で」と、こう表記したバナーを張りつけておりまして、東京で係留を行ったり栃木での国際大会に出場したほか、地元での係留など、世界選手権誘致に向けて機運を高めているところでございます。  また、先ほど申し上げましたけれども、国際気球委員会各国の投票権を持つ方々がいらっしゃいますので、そういった方への働きかけが重要なものであるというふうに考えております。そこで、世界選手権を佐賀で開催するよさをアピールして、佐賀市への投票を呼びかける活動を積極的に行っているところでございます。  具体的には、ことしのバルーンフェスタの中でも、佐賀で開きましたバルーンフェスタの中でも、熱気球関係者を中心に誘致活動を行ってまいりました。それから、先日、11月20日も、栃木県で開催されました熱気球大会がございましたけれども、各国の代表や気球関係者の方がそちらのほうにいらっしゃるということでございましたので、キーパーソンに対し誘致活動を行ってきたところでございます。  今後も開催が決定するまで、さまざまな形で誘致活動に力を入れていきたいというふうに考えております。 ◆重松徹議員   何かオリンピックの誘致活動と余り変わらんような状況だと思いますけども、この誘致についてはですね、市長も公約に掲げて相当気合いが入っておられると思います。だから、東京オリンピックの誘致ではありませんけども、本当におもてなしの心を持ってですね、本当に佐賀より愛を込めて、とにかく徹底した誘致活動をしていただきたいと思います。  次に、中心市街地の再生について質問いたします。  この件については多くの議員が質問されましたし、また後もされますので、私はマルキョウ佐賀店閉店に伴うその対策のみ質問したいと思います。これは川副議員、また宮崎議員の熱い思いも受けとめておりますので、責任重大でございますので、どうかよろしくお願いいたしておきます。  佐賀市の中央大通りにありますスーパー、マルキョウ佐賀店が先月の11月19日に閉店したわけでございます。こういった中心街とか商店街から大型店の撤退が相次いでおります。これは佐賀市だけではなくてですね、全国的な傾向でありまして、今回もまた中心市街地の空き店舗の問題、そういったことで3人から質問があっておりますけども、なぜこのような状況になってきているのかと。  私も長年、商工会に籍を置いて商店街などを見てきておりまして、ちょっとそこら辺を申し上げますとですね、以前は商店街というのは地域の顔と言われていまして、当然、自動車も余りないころはですね、交通手段というのは徒歩か自転車でありまして、あちこちに商店街が点在しておったわけですね。商店街に行けば、魚屋とか肉屋とか八百屋、豆腐屋とか酒屋とか、小さいながらもフルセットで全てあったわけであります。  だから、どこの店もですね、地域独占という形で、黙っていても売れたような時代でもありました。だから、当時はですね、なかなか企業努力もしないで、商品を並べれば売れた時代ですね。だから、殿様商売とか丼勘定とかですね、そういうことが言われた、そういった店がだんだんふえてまいりましてですね、また当時、財テクという言葉もはやりまして、例えば、ゴルフの会員権とかですね、当時はやっぱり2,000万円、3,000万円するような会員権でした。それを購入したりですね、財テクといって、何といいますか、不動産とか株とか土地、そういったものに投資していくと。  だから、商売をそっちのけで、そういった楽してもうけるような方向に行くような店も出てきたわけですね。そして、バブルがはじけて全て失うことになりまして、残ったのは借金だけと。やがて店も立ち行かなくなって閉店する店舗も出始めたわけでございます。  こういった店がですね、商店の中に1店舗でもあればどうなるかというと、例えば、消費者が魚と野菜と花を買いたいと考えると、その場合、魚屋と八百屋と花屋の3店舗が必要になるわけですね。この店舗がフルセット存在すれば、その消費者は全ての欲求を満たすことはできるわけですけども、さっきここで言いました、そういった事情等で魚屋が空き店舗になった場合は、魚だけは別の商店街に買いに行かないかんわけですね。そういった二重手間は省きたいと。  そこで、当時、ワンストップショッピングという言葉がはやりましたけども、それが地元のスーパーでありまして、佐賀でいえば日祐とか主婦の店とかですね、そういったところにだんだんお客が流れていったわけですね。だから、さっき言いました八百屋とか花屋がスーパーに負けない魅力ある店であってもですね、魚屋がないということで集客チャンスを逃がすことになります。  昨日、宮崎議員の質問に対して、池田部長もですね、やはり商店街はバランスが大事だと、こういうことを言われました。まさにそのとおりだと思います。空き店舗を放置したりですね、空き店舗をつくり出すこと自体が、やはり商店街全体として集客力を低下させることになって、空き店舗が増加していくという悪循環に陥ることになると思います。すなわち共倒れを引き起こしてシャッター街がふえていくということだと思います。  しかし、やがて地元スーパーもですね、モータリゼーション、車社会になって、だんだん駐車場が狭いとか、品ぞろえに不満を感じてきた消費者はですね、郊外に大型店ができれば、そういったところにシフトしていくわけですね。そして、その影響で地元スーパーは軒並み閉店、または売却になっていく、こういった状況じゃないかと思います。しかし、今は郊外の大型店同士がですね、大店法から立地法に変わりまして、自由に出れるような、そういった規制緩和になりましたので、今度は大型店同士のですね、何といいますかね、熾烈な戦いということで、淘汰の時代に入ってきているんじゃないかと思います。だから、また時代は繰り返しになりますから、いつかはそういった中心市街地、また商店街のほうが脚光を浴びる時代が来るんじゃないかなというふうには思っております。  こういった中でですね、今回、マルキョウ撤退により中心市街地の空洞化に拍車がかかってくるのではないかというふうに思います。今日まで中心部のてこ入れを続けている佐賀市にとってはですね、何らかの手だてを講じる必要があるんじゃないかと思いますが、そこで、ずばり聞きたいと思いますけども、ずばり聞きますので、ずばり答えてください。  まず、このマルキョウ佐賀店を市で購入する考えはあるのかないのか、池田部長お願いします。 ◎池田剛 経済部長   済みません、ずばりお答えになっていないかもしれませんが、マルキョウ佐賀店というのは周辺の方々にとって重要な買い物の場であると同時に、議員おっしゃるとおり、中心市街地における一定集客の場、にぎわい、そういった重要な買い物の場であって、にぎわいづくりの場でもあったというふうに思っています。そういった中心市街地を我々としてはやっぱり後世に伝えていかないといけないというのが、今まで、これまで中心市街地活性化に取り組んできた事業でございます。  そういった意味では、中心市街地活性化の意味から、少しでも早く何らかの活用がなされることが必要であるというふうに考えております。このため、佐賀市といたしまして今できることはですね、地権者はもとより、多くの関係機関の皆さんと、ここの再生ですね、誰がどうやって再生するかということも含めてですね、再生に向けての協議を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆重松徹議員   全然はっきり言われなかったんですけども、再生に向けてこれから協議していくということですけども、例えばですよ、買う買わんは別として、このマルキョウ跡地の利活用を今後ですよ、やっぱり空き店舗にするわけにはいかないと思うんですよ。だから、利活用の問題、ここら辺はどのように考えておられるのか、お尋ねいたします。 ◎池田剛 経済部長   先ほどと同じような質問になっております。やっぱりしつこくお答えをしないといけないのかなという感じでございますけれども、先ほど申し上げましたように、できるだけ早期に利活用が図られ、再び中心市街地の活性化に寄与する姿になるべきであるというふうには思っております。  繰り返しになりますけれども、マルキョウ佐賀店跡につきましては、早期の再生というのが必要であるというふうに思っております。この実施主体がどこになるかというのは非常にこれから考えていかなくてはいけない問題であると思います。  さっき議員がおっしゃったように、市が購入して活用することも選択肢の中に絶対ないというわけではないとは思いますけれども、そういったことを関係者の皆さんでやっぱり協議していかないといけない。それも早期にこれは解決していかないといけない重要な問題であるというふうには考えています。そういった意味で、最善の活用策を皆さんと一緒に協議してまいる必要があるというふうに考えております。  以上でございます。 ◆重松徹議員   ちょっとそこら辺を聞きたかったんですけども、例えば、商業施設とか、今まで4核構想の公共施設を持ってくるとか、また病院とか銀行とか、それとか中心市街地の専用の駐車場、そういったものが今後考えられると思いますけども、今の段階ではですね、まだ早期の解決が必要だということでございますので、言えないと思いますけども、このマルキョウ佐賀店を見ておりますと、まだ新しいような感じがしますけども、ここは築何年たっているのか、そこら辺の耐震等ですね、そこら辺はわかりますか。 ◎池田剛 経済部長   建設が平成10年であったというふうに伺っております。それからしますと、建築されて15年程度でございます。今、耐震で問題になっておりますのが、昭和56年耐震が問題になっておりますので、それは十分にクリアしている建物であるというふうに思っております。 ◆重松徹議員   15年程度ということでございますけども、まだまだ建て直さなくて利活用ができるんじゃないかと。それがやっぱり建設コストなんかもかからないと思いますけども、そうなると、今後、利活用が非常に狭められてくるんじゃないかなと思いますけども、このままで使うんだったらですよ、まだ今からちょっと協議されるので、わからないと思いますけども、このままの状態で使うのであれば、先ほど質問しましたバルーンミュージアムをこのマルキョウビルにつくるという考えが部長の頭の隅の辺でもちょこっとでもあるのかないのか、ちょこっとそこら辺を。 ◎池田剛 経済部長   バルーンミュージアムにつきましては、先ほど申し上げましたように、バルーン会場でいろんな方の御意見を伺った中では、バルーンが行われている会場か、中心部か、どちらかがいいと、大体半分半分ぐらいだったんじゃないかというふうに記憶しておりますが、実際バルーン会場というのはバルーンの期間中に人が集まる場所でございますので、中心市街地を受け持っております私、経済部といたしましては、やっぱり中心部に持ってくるのがふさわしいと思っております。  その中で、どこに置くべきであるかということにつきましては、まだその中身−−今、基本構想を策定している段階でございますので、今後、どこがふさわしい場所であるかということについては検討していきたいと思っております。  先ほど議員がおっしゃったように、現状の建物が使えないかという御質問でありますと、十分いろんな−−中に入るものがどういったものであれ、まだ15年しかたっていない建物でございますので、このまま使える施設があるんであればですね、使っていくほうが、やはり施設を大事にするという考え方からすると、可能であれば使っていくべきであるというふうに考えております。 ◆重松徹議員   なかなか聞き出せないんですけども、これも選択肢の一つだというふうに受け取りたいと思いますけども、とにかくいろんな対策を講じて、再びですね、この中心市街地が佐賀市の顔となってですね、物、人、情報の流れがこの中心市街地に集まってくるようなですね、そういった対策をこれからも図っていただきたいなというふうに思っております。  どうも部長ありがとうございました。  次に、ワンコイン・シルバーパスの対象年齢、助成年齢の引き下げについてはですね、白倉議員と全てかぶってしまいましたので、質問は避けますけども、市長答弁では、助成年齢を現在の75歳以上を70歳以上にする考えを示されまして、来年の4月に実施を目指すということでありましたので、この件については理解できましたけれども、あと対象人数とかですね、助成の総額ですね、それと財源の問題については執行部へ聞き取りをしましたけども、推計で言われましたけども、まだはっきりとした数字をつかんでいないということでございました。そしてまた、財源についても、とにかく切り詰めて切り詰めてやっていくということしか今は言えないということでございましたので、次の議会でははっきりとした数字を示されると思いますので、そのときにでも質問をしていきたいというふうに思っております。  で、答弁の中で市長言われましたけども、高齢者にとって近くに買い物できる店が非常に減っております。バスに乗らないと買い物に行けないという声もあります。ところが、やっぱり1万6,000円もするということになりますと、なかなか買えないと。そうなってくると、出かけることもできなくなって、高齢者のひきこもりですね、そういったものもふえてくるんじゃないかなということが考えられます。そういったことを考えますと、1,000円で気兼ねなくどこでも出かけられるということができればですね、高齢者の社会参加もできますし、元気で老後を過ごすこともできるんじゃないかなと思いますので、これは高齢者支援にもつながることだと思いますので、ぜひ進めていただきたいなというふうに思っております。  以上で市長の公約の具現化に対する質問は終わりたいと思います。  次に、ジャンボタニシの問題について一問一答に移りたいと思いますけども、先ほど総括でジャンボタニシの生態について御報告いただきましたけども、これは昭和40年代にですね、国内養殖業者が食用として日本に持ち込んだと。それが廃棄したり逃げ出したりして全国に広がったということでございましたけども、当初はですね、食用として導入されておりますから、食べようと思ったら食べられるわけですね。  ところで、田中農林水産部長は、立場的にこのジャンボタニシを食べたことはありますか、ちょっとお尋ねします。 ◎田中泰治 農林水産部長   私はジャンボタニシを食べたことはございません。しかしながら、以前ですね、農業関係の県の職員が一定期間水槽の中に泳がせた後に食べたそうでございますが、やはりにおいがひどくて、やっぱりおいしくはなかったということで聞いております。  以上でございます。 ◆重松徹議員   やっぱりそうよね。ないでしょう。私もありません。  ところが、原産地がアルゼンチンやったですかね。そのアルゼンチンでは実際食しているんですかね、これは。 ◎田中泰治 農林水産部長   総括で申し上げましたけれども、ジャンボタニシの原産地は南アメリカのラプラタ川流域となっております。  そこで、県や国のほうに問い合わせましたが、食べているかどうかは確認できておりません。 ◆重松徹議員   定かじゃないということですね。  ところで、このジャンボタニシは草食性なんですか、それとも雑食性なんですか、ちょっとお伺いします。
    ◎田中泰治 農林水産部長   ジャンボタニシは雑食性でございまして、植物だけではなく、動物の死骸、また菌類も食べ、食べ物の好みは幅広いというふうに言われております。 ◆重松徹議員   雑食性であれば、さっき部長が言われましたけども、動物とか魚の死骸を摂食しているということもあるわけですね。そうだったら、人体に有害な寄生虫の媒介とか、そういったものはないでしょうか、ちょっとお尋ねします。 ◎田中泰治 農林水産部長   ジャンボタニシなどの貝類、甲殻類、両生類などには、これらを中間宿主とする熱帯地方に多く見られる広東住血線虫という寄生虫が寄生をします。そこで、ジャンボタニシを生や不完全な加熱状態で食べたり、また触れた手を口に入れたりすれば人体に感染する可能性がございます。感染すると、発熱、頭痛、嘔吐などの症状が出ます。人間は本来の宿主ではないため、人体に入った線虫は増殖をできずに、数週間後には死滅をいたします。  ジャンボタニシは中間宿主の一種にしかすぎず、しかも、国内では沖縄県以外からこの線虫が見つかったことはございません。一概に安全である、危険であるとは言えませんが、少なくともジャンボタニシに触れたら必ずよく手を洗うという基本的な習慣、これを守っていただければ問題はないものというふうに考えております。 ◆重松徹議員   やっぱり寄生虫がおりますね。部長、食べなくてよかったですね、私もですけども。今、私の後ろにいらっしゃる農業関係の議員ですけども、ジャンボタニシは刺身が一番と言われておりますけども、とんでもない話ですね。  ところで、環境省では、この外来種をですよ、ジャンボタニシをどのように位置づけしてあるのかですね、お尋ねいたします。 ◎田中泰治 農林水産部長   環境省での位置づけでございますが、環境省におきましては、要注意外来生物リストの中の注意喚起が必要な外来生物に位置づけをされております。この要注意外来生物リストとは、外来生物法で規制をします特定外来生物などのように飼育の規制がかけられるものではございません。しかしながら、生態系に悪影響を及ぼすということから、適切な取り扱いについて協力と理解をお願いしているところでございます。  以上でございます。 ◆重松徹議員   やっぱりこのジャンボタニシは結構要注意外来種ということで認定されているようでございますけども、ずっと今まで聞いてですね、ジャンボタニシの生態がよくわかりました。  これは徹底した駆除が必要だと思いますけども、それでは、これから被害状況と駆除について質問していきたいと思いますけども、まずジャンボタニシの発生による水稲の被害状況をお尋ねいたします。 ◎田中泰治 農林水産部長   まず、ジャンボタニシの生息状況を前段で申し上げますが、この貝は県内のほとんどの地域で生息をしております。  市内で発生が見られる水路延長につきましては、平成23年度は376キロメートル、平成24年度は235キロメートル、平成25年度は7月時点で123キロメートルとなっており、市内では農家の努力により、近年は生息区域が減少傾向となっております。  また、先ほど申し上げましたように、この貝は稲の田植え後から約2週間ごろまでの若い稲を好んで食べます。  そこで、被害状況でございますが、食害がひどい水田では水稲の植えかえが行われた面積がございます。平成23年度は約110ヘクタール、平成24年度は8ヘクタール、平成25年度は7月時点で10ヘクタールと減少をしておりまして、これまでの防除の効果が発揮できているものと考えております。 ◆重松徹議員   減少傾向にあるようでございますけども、また春先から出てきますからですね、徹底した駆除がまた今後必要だと思いますけども、その駆除対策はどのようにされていますか。 ◎田中泰治 農林水産部長   現在のジャンボタニシの駆除対策でございますが、1つ目には、取水口から圃場への侵入を防止するためのネット、これをお願いしております。特に、圃場整備後にはパイプラインの中で越冬しますので、春先に一気に水を出したときに小さなジャンボタニシがどっと流れ出るということについては対策が必要でございます。2つ目に、移植する苗については育苗期間を長くとり、中苗や成苗を用いること。3つ目に、田植え後の圃場を1センチメートル程度の浅水にして、ジャンボタニシの活動を抑える、いわゆる浅水管理を行うこと。4つ目に、ジャンボタニシ専用の農薬を使用することなど、これらの対策を組み合わせて行うことが必要であるということでございます。  さらに、水稲と大豆を組み合わせましたブロックローテーション、これは大豆を作付して乾田化することで圃場の中のジャンボタニシの生息数が減少をし、被害の軽減につながっております。  以上でございます。 ○黒田利人 議長   これより休憩いたしますが、本会議は午後1時に予鈴いたします。  しばらく休憩いたします。      午前11時59分 休憩      平成25年12月10日(火)   午後1時03分   再開           出席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │ 1.江原新子 │ 2.高柳茂樹 │ 3.村岡 卓 │ │ 4.宮崎 健 │ 5.永渕史孝 │ 6.野中康弘 │ │ 7.松永憲明 │ 8.実松尊信 │ 9.松永幹哉 │ │10.野中宣明 │11.山田誠一郎│12.山下伸二 │ │13.白倉和子 │14.中本正一 │15.池田正弘 │ │16.川副龍之介│17.久米勝博 │18.川崎直幸 │ │19.重松 徹 │20.中野茂康 │21.山口弘展 │ │22.山本義昭 │23.江頭弘美 │24.重田音彦 │ │25.平原嘉徳 │26.武藤恭博 │27.堤 正之 │ │28.松尾和男 │30.千綿正明 │31.中山重俊 │ │32.山下明子 │33.西岡義広 │34.福井章司 │ │35.嘉村弘和 │36.黒田利人 │       │ └───────┴───────┴───────┘           欠席議員 ┌───────┬───────┬───────┐ │29.川原田裕明│       │       │ └───────┴───────┴───────┘           地方自治法第121条による出席者 佐賀市長        秀島敏行   副市長         御厨安守 副市長         赤司邦昭   総務部長        伊東博己 企画調整部長      石井忠文   経済部長        池田 剛 農林水産部長      田中泰治   建設部長        松村 健 環境部長        竹下泰彦   市民生活部長      西川末実 保健福祉部長      田中 稔   交通局長        眞子孝好 上下水道局長      金丸正之   教育長         東島正明 こども教育部長     貞富博文   社会教育部長      荒金健次 選挙管理委員会事務局長 石丸賢司   農業委員会事務局長   鬼崎哲也 監査委員        松尾隼雄   会計管理者       金山真博 ○黒田利人 議長   休憩前に引き続き会議を開きます。  市政一般に対する質問を続行いたします。 ◆川崎直幸議員   自民市政会の川崎直幸でございます。通告に従いまして3点の質問をいたします。  1点目、開門による有明海の再生についてであります。  諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門について、これまで再三にわたり質問してきましたが、長崎地裁の開門差しとめ訴訟で、開門差しとめの仮処分決定がなされました。マスコミなどでは、開門がますます混乱状態になったと報道されております。今、有明海では、タイラギ、サルボウガイなどの貝類がほとんどとれなくなっていますし、この夏は、かつて見向きもしなかったビゼンクラゲをとられるなど、漁業の方々は必死になって生計を立てられております。  このような状況の中、開門調査について、今年の8月定例会で質問した以後、県や市、漁協ではどのような対応がなされてきたのか、農林水産部長にお尋ねをしたいと思います。  2点目、ラムサール条約についてであります。  これに関しては、1971年にイランのラムサールで開催された湿地及び水鳥の保全のための国際会議において、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されております。  目的としては、水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地及びその場所に生息、生育する動植物の保全及び賢明な利用−−ワイズユースを促進することとなっております。  また、ラムサール条約湿地登録の要件としては、国際的に重要な湿地を指定するための9つの基準がありますが、日本のラムサール条約湿地の要件も3点あります。1点目は、国際的に重要な湿地であること、2点目、国の法律−−自然公園法、鳥獣保護法などにより自然環境の保全が図られることとなっております。3点目、これが一番重要点で、自治体などの登録への賛意が得られることとなっております。  保護担保処置については、国指定鳥獣保護区の特別保護地区に指定することになり、国指定鳥獣保護区に指定されれば、鳥獣の捕獲行為が原則禁止され、また、特別保護地区に指定されれば、水面の埋め立て、干拓、立木竹の伐採、工作物の設置に当たり許可が必要となります。特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約第4条の中で、「各締約国は、湿地が登録簿に掲げられているかどうかにかかわらず、湿地に自然保護区を設けることにより湿地及び水鳥の保全を促進し、かつ、その自然保護区の監視を十分に行う」とともに、「締約国は、湿地の管理により、適当な湿地における水鳥の数を増加させるよう努める」とうたわれております。  そこでお伺いしますが、佐賀市は東与賀海岸の大授搦のラムサール条約登録に向けて前向きに取り組んでいますが、先ほど言ったように、国指定鳥獣保護区に指定されれば、鳥獣の捕獲行為が原則禁止され、なおかつ湿地及び水鳥の保全をしていかなければならないという国際法の網がかぶされば、いろんな課題、問題点が生じると思います。我が市はラムサール条約登録検討委員会を8月23日に発足していますが、まずもって環境部長に、今までの取り組みと経緯をお伺いし、また、課題、問題点については、関連する各部長に一問一答でお伺いしたいと思います。  3点目、ごみ処理施設の統廃合については、平成25年2月議会において、施設の統廃合の目的、概要、経過、統廃合後の跡地利用などについて執行部に質問してまいりました。当時は、前年の11月末に清掃工場周辺の金立、高木瀬地域の自治会等と佐賀市との環境保全協定が締結され、佐賀市全域のごみが佐賀市清掃工場で受け入れ可能となったばかりで、12月議会へごみ処理手数料等の条例改正議案を追加提案し、その後、大和地区、富士地区の住民説明会を開催したばかりの時期でありました。このような状況であったため、今回改めてごみ処理施設の統合後についての質問をさせていただくこととします。  ごみ処理施設の統廃合により廃止した施設の解体についてですが、平成24年度末をもって廃止したクリーンセンター大和、富士クリーンセンター、今年度末で廃止予定の川副・東与賀清掃センターの3施設の解体、また、その敷地の跡地利用について、市はどう考えているのかをお伺いしたいと思います。  また、川副・東与賀清掃センターを廃止し、その敷地内に南部中継所を設置するとのことですが、その進行状況と今後についてお伺いしたいと思います。  以上をもちまして、総括質問といたします。 ◎田中泰治 農林水産部長   私のほうからは、諫早湾潮受け堤防排水門に係る平成25年8月議会後の県や市、漁協などの主な対応についてお答えいたします。  佐賀県や有明海沿岸の4市2町及び有明海漁協で組織をする有明海再生に関する佐賀県関係者連絡会の幹事会と九州農政局は、ノリ養殖に影響が出ない開門方法の実施について、8月から10月までに3回にわたって実務者レベルの協議を行ってまいりました。その主な内容としましては、1点目に、開門初期の汚濁を防止するための汚濁防止膜幕の設置や慎重な排水操作の方法について、2点目に、開門後の具体的な水質などの監視計画や体制について、3点目に、排水や導水に関する情報提供の方法についてなど、開門に向けた準備を行ってきたところでございます。  一方、佐賀、福岡、熊本の3県漁協、漁連で組織される諫早湾干拓事業対策委員会では、10月30日に農林水産大臣に対して、開門調査についてはノリ養殖に影響が出ないような方法で開門することなどを要望されております。  このような状況の中、11月12日、長崎地裁の開門差しとめを命じる仮処分の決定を受け、11月14日には佐賀県、佐賀県議会、有明海沿岸市町水産振興協議会及び有明海漁協の4者が江藤農林水産副大臣に面談をし、有明海再生のための開門調査の確実な実施を求める要請書を提出してきたところでございます。  この要請では、国は直ちに長崎地裁に対して異議申し立てを行うこと、また、有明海再生のための開門調査を確実に実施することなどとなっております。  しかしながら、開門時期が迫る中で、国の方針が全く示されないことから、12月4日に佐賀県側として市長も林農水大臣に対し面談をし、改めて有明海再生のための開門調査の確実な実施を求める要請書を提出し、国に対し強く要請を行ってきたところでございます。  なお、同日に3県の漁協、漁連では、江藤農林水産副大臣に対し、福岡高裁の確定判決どおり期限までに必ず開門調査を行うこと、また、開門差しとめの仮処分決定に対し、即刻異議申し立てを行うことなどを要望されております。
     以上がこれまでの対応状況でございます。 ◎竹下泰彦 環境部長   私には2点の質問がございましたので、順次お答えいたします。  まず、ラムサール条約についてでございます。  ラムサール条約については、昨年の9月とことしの6月議会でも質問があっておりましたが、再度少し説明をさせていただきたいと思います。  条約そのものについては、議員から先ほど御説明がありました。一方、日本では1980年に釧路湿原が初めて登録され、現在46カ所の登録地がございます。この条約は、当初、水鳥の生息地としての機能に重点が置かれておりましたが、その後、湿地の生態系が果たす役割の重要性が認められるようになりました。  次に、推進するに至った経緯ですが、昨年9月、環境省九州地方環境事務所から佐賀市にお見えになり、東与賀干潟のラムサール条約登録を提案されました。その後、環境課で登録による問題点や課題、メリットなどを調査してまいりました。登録することで漁業に支障があるのではないか、あるいは、いろんな規制がかかるのではないか、また、鳥によるバードストライクや農水産物の食害が増加するのではないかなど、いろいろ調査してまいりました。一方で、貴重な自然環境や生態系が残されている干潟として国際的に認められることになり、ラムサールブランドを活用して、ノリを初めとした農水産物の販売、観光面や地域振興に活用できる可能性のあることもわかりました。  これまでの取り組みについてでございますが、関係漁業協同組合や地元東与賀町の各種団体と協議を行ってきたところでございます。また、空港管理者の佐賀県にも登録について協議を行ってきたところでございます。  次に、ごみ処理施設についてでございます。  御指摘の3施設の解体と跡地利用についての御質問についてお答えいたします。  富士地区のごみ処理を行っていた富士クリーンセンター、大和地区のごみ処理を行っていたクリーンセンター大和については、平成25年3月をもって焼却炉を停止し、現在はそれぞれの最終処分場の排水処理の水質が安定するまでの間、水処理の管理のみを行っています。期間ははっきりしておりませんが、今後3年から5年程度、水処理の管理を行い、安定した段階となったところで県の確認を受け、ごみ処理施設として完全に廃止されることになります。現在、停止している焼却炉や煙突、建物等の施設の解体工事については、最終処分場の水処理の状況を見ながら時期を決定し、解体をしていくことになります。  また、川副・東与賀清掃センターについては、来年3月をもって焼却炉を停止し、最終処分場の水質の安定のため、当分の間、水処理の管理を行う予定です。  焼却炉の解体には多額の費用が必要となりますので、これらの施設をまとめて解体するということは財政的にも困難であると思っております。しかしながら、廃止した施設をそのまま放置することはできませんので、財政状況も参考にしながら年次計画を立てていく必要があります。  跡地利用については、現時点では計画等はございませんが、今後、解体の計画と並行して検討してまいりたいと思っております。  もちろん、跡地利用につきましては、周辺地域の方々の意見をお伺いしながら、有効な活用方法を検討していきたいと考えております。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   それでは、開門についてですね、一問一答していきたいと思います。  これは市長に最初で最後の質問としていきたいと思いますので、明確な答弁をお願いしたいと思います。  開門に向けて今日まで、佐賀県、また我が市、有明海沿岸の4市2町ですね、そして、有明海漁協と再三にわたり国に要請してこられました。これも私からですね、感謝を申し上げたいと思います。  そういう中、11月12日、長崎地裁の仮処分決定は、既に確定している福岡高裁判決と相反するものであります。長崎地裁では、国が漁業被害を主張しなかったため、農業被害のほうが大きいと判断されたことと開門準備工事が期限までに間に合う可能性がないことを挙げられていますが、国が漁業被害を認めなかったためにこのような結果になったのだと私は思っております。  また、福岡高裁の確定判決から3年間の猶予期間があったにもかかわらず、国は今まで工事に着手しておりません。  私の考えは、国は開門に関してはうやむやにしてですね、12月20日の開門は100%開門しないと判断しています。農水省は、農・漁業を守るためのものであるにもかかわらず、この有明海をますます死の海に追い込もうとしているように私自身は感じています。国に対して私も遺憾に思っているところでございます。  そこで、市長にお伺いしますけれども、このような状況の中でも、市長は国に対して確定判決を守り開門調査を実施するよう、今後も強く国に要請していただきたいと思いますが、市長の考え、決意というか、その点をお伺いしたいと思います。 ◎秀島敏行 市長   今回の長崎地裁の決定というのは、非常に我々にとっては不満の大きい決定であったわけです。農水省も何度か開門しようというような努力をされていたと私は信頼するわけでございますが、あの決定に至るまでに、先ほど言われましたように、漁業被害等について余り主張していないというような部分ですね、いろいろ立場はあったと思いますが、そういう部分と、あと、異議申し立てをして、いわゆる相反する決定がありますので、これをどちらを選ぶのかというのをですね、やっぱり我々のほうからすると、異議申し立てをして、そして、福岡高裁の判決を守るというような立場に立ってほしかったわけですが、それも明確にしないというようなことでですね、非常にそういう意味では不満を今感じているところであります。  しかし、いずれにしたって、もう20日はもう間もなくやってまいります。それまでに開門が実現できるとはなかなかもうこの時点ではですね、考えにくいような状況になっておりますが、いずれにしましても、開門そのものが目的じゃなくて、開門をして、有明海の再生のための調査をしてくださいというのが我々の願いでございますので、それに向かって今後もですね、今までやってきました佐賀県、そして佐賀有明漁協ですね、それと私たちと一緒になって要請をしてまいりたいと思います。 ◆川崎直幸議員   わかりました。何にしてもですね、もう開門は難しいですね、本当言うて。もう今までの国のやりとりを見ていますとですね。今後とも開門をしなかった場合はですね、多分、漁業関係も原告団関係の方々もですね、今、海上デモとか、いろんな企画をされているみたいでもあります。しかし、それはそれとしてですね、市長も今後また開門されなかったときの、またいろんな考え方をですね、知事と同時に、各関係の方々と国のほうに強い要望をしていってもらいたいと思います。どうぞよろしくお願いします。  次に、ラムサール条約登録についてでございますけれども、総括でラムサール条約の概要、推進するに至った経緯、取り組みについて答弁がなされましたけれども、佐賀県はラムサール条約湿地登録についてはですね、生産者支援課、空港課、水産課、農産課、畜産課、健康増進課、これらの各関係を有明海再生・自然環境課が取りまとめておられます。  この我が市としてはですね、ラムサール条約登録についてはですね、今までいろんな質問がありましたけれども、メリットばかり表に出ているんじゃなかろうかと。デメリットの関係は議論されていないように私は思うんですけれども、佐賀市のこの推進体制はどうなっているんでしょうか。 ◎竹下泰彦 環境部長   ラムサール条約については、ことしから環境課が窓口となり、水産振興課や東与賀支所と協議を行ってまいりました。また、佐賀県空港課を初め関係部署にも説明をしてまいりました。その後、6月には本庁の水産振興課、農業振興課、観光振興課、また、東与賀支所の総務課、環境課、産業振興課にも集まってもらい、環境省からラムサール条約の概要について説明を受け、協議を重ねてまいりました。  そうした中、ラムサール条約登録を目指すに当たり、8月にラムサール条約登録検討委員会を設置し調査、研究を行っていくことといたしました。委員会のメンバーは、両副市長を初め総務部、企画調整部、経済部、農林水産部、環境部の各部長、それから総合政策課、観光振興課、農業振興課、水産振興課、環境課の各課長、並びに東与賀支所長、東与賀の環境課長、東与賀の産業振興課長で組織して、環境課で庶務を行っているところでございます。 ◆川崎直幸議員   それでは、答弁が各部にまたがるもんですから、順を追って部長に質問していきたいと思いますけれども、まず環境部長にお願いしたいと思います。  このラムサール条約登録について、先ほど言ったように、課題、問題点がたくさんあると思いますけれども、環境部としてどれぐらいを把握しているんでしょうか。 ◎竹下泰彦 環境部長   地元の関係者にお会いして話を伺ったところ、国指定鳥獣保護区の特別保護地区に指定されることで鳥がふえ、ノリや麦など農水産物の食害がふえるのではないかといった懸念がございました。また、バードストライクが増加するのではないかとの懸念もございました。このことについて環境省に問い合わせたところ、国指定鳥獣保護区になったからといって餌づけをするわけではありません。直ちに鳥がふえるわけでもありません。また、農水産物への食害が発生すれば、有害鳥獣として国の許可を得て捕獲できるとのことでございました。  昨年7月にラムサール条約に登録された熊本県の荒尾干潟や、既に登録した30自治体に問い合わせたところ、鳥による食害がふえたというところはなく、影響はなかったということでございます。  空港が近くにある8自治体にバードストライクが増加したかと問い合わせたところ、6自治体は増加していないと回答し、2自治体は資料がないとの回答でございました。 ◆川崎直幸議員   鳥はふえない、余り影響がないというふうに解釈しましたけれども、それでは、農林水産部長にお伺いしますけれども、鳥による農水産物の食害の状況をまずもって教えてもらいたいと思います。 ◎田中泰治 農林水産部長   農水産物への食害の状況でございますが、まず、鳥類による市内の農産物の被害の状況につきましては、平成22年度は被害額3,440万円、平成23年度は約2,210万円、平成24年度は1,720万円となっております。  次に、ノリの被害状況につきましては、漁協によりますと、現在、東部地域よりも中部や西部地域が多い状況と聞いております。主な原因といたしましては、カモによる食害が考えられております。なお、被害額につきましては、現在、漁協でも把握をされておりません。また、漁協では、今年度の漁期から食害の被害について調査を行うことを現在検討されているところでございます。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   そしたら、その食害に対しての対応はどうされているんでしょうか。 ◎田中泰治 農林水産部長   食害への対応でございますが、被害に対する現在の対応を申し上げますと、農作物では、大豆や麦の播種時期に合わせて、JAと協力しまして猟友会に依頼し駆除を実施しております。  また、ノリの被害に対する対応につきましては、有明海の中部や西部地域においては、有害鳥獣駆除やカモおどし設置による威嚇対策が実施されております。  なお、市内漁協の各支所におきましては、現在のところ対策が講じられている支所はございません。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   農作物関係はもう被害がある、ノリ関係は今のところまだ状況がわからないということですかね。そういうふうに解釈していいですね。  私もですね、ノリ養殖に携わって四十数年、本当に実際にですね、このカモ被害、もうずっとあったわけですよね。そういう中で、この被害金額を出せというたら、まず難しいかなというような感じがしていましたけれども、たまたまですね、今年度の10月6日の読売新聞でですね、「養殖ノリ消失 カモの犯行」と、こういうふうに出とったわけですよね。それは、これちょっと読みますけれども、「全国有数の養殖ノリの産地・有明海で、養殖中のノリが一晩から数日で消えてしまう原因不明の被害が数十年前から多発し、福岡県が調査した結果、付近の河川から飛来したカモ類の食害であることがわかった」と。福岡県水産海洋技術センター有明海研究所などによると、約10キロメートルの沿岸部で発生したこの被害金額ですね、これが約2,400万円というふうにうたっておるわけですよね。  そういう中で、今まで私も四十数年間ノリ養殖をしてきました。カモの被害があったにもかかわらずですね、漁業界がその被害金額を出さないということに対して私もちょっと疑問に思うんですけど、今まで行政として、その指導というのはしていなかったわけですか。どうでしょうか。 ◎田中泰治 農林水産部長   特別にですね、私ども佐賀市としまして、そのノリのですね、食害等について被害調査をしたらどうですかというような話は今までしておりません。 ◆川崎直幸議員   やっぱりこれは、被害金額はですね、もう福岡県も現に出しとるもんですから、やっぱりカモの被害というのも相当なものがあると思うもんですから、やっぱり組合にそれに対しての要請をしていく必要があると思うんですけど、どうでしょうか。 ◎田中泰治 農林水産部長   現在ですね、県においても直接有明海漁協のほうにですね、被害調査をしたらどうですかというお話はこれまでもされていませんし、現在もそういうところについては考えられていないということでございます。  ただし、議員御指摘のように、福岡県でそういうふうな記事も出ておりますし、確かにカモ等がですね、ノリを食べているという実態もございますので、ことしからは有明海漁協が独自に調査に乗り出すということで現在進められているところでございます。 ◆川崎直幸議員   部長としては、このカモの被害はあるというふうに解釈してよろしいでしょうか。  そこでですね、次に行きますけれども、鳥インフルエンザに関してですね、県もいろいろ−−私も調査をしました。やっぱりこの鳥インフルエンザというのは、もうこの野鳥、水鳥、渡り鳥に対してはですね、菌を持ったまま、やっぱりこれは死なないわけですよね。そして、こちらに渡り鳥が来て、そして、こちらの養鶏舎に、例えば行ったときにうつるということでありますけれども、この鳥インフルエンザのリスクが高いと思うんですが、もうその対策とか対応とか考えてあるんでしょうか。 ◎田中泰治 農林水産部長   鳥インフルエンザ対策につきましては、発生を防止するために、国が定めます飼養衛生管理基準、これがございますので、これを遵守、徹底するように現在指導をしております。  現在、各農家では、鶏舎内に踏み込み消毒槽や消毒薬の噴霧器、防鳥ネットを設置するなど、日ごろから対策を十分にとっていただいております。  佐賀市としましても、佐賀市家畜畜産物衛生指導協会において消毒液や石灰の配布、防鳥ネットなどの補助などの取り組みを支援しているところでございまして、県やJAと連携をして衛生管理の徹底に努めているところでございます。  なお、万が一鳥インフルエンザが発生をした場合には、鳥インフルエンザ対応マニュアルに基づきまして、県段階での対策本部が自動的に設置をされ、広域な対応をとっていくということで現在進めております。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   部長に対しては最後ですけれども、我が市としてはですね、このラムサール条約湿地登録に向けて進めていますけれども、これだけの諸問題、課題もある中でですね、カモの被害、農作物の被害、いろんな諸問題がある中で、農林水産部長としてですね、このラムサール条約登録に向けての認識はどういうように思っておられるんでしょうか。 ◎田中泰治 農林水産部長   現時点での認識ということでお答えさせていただきます。  農林水産部としましては、この推進に当たりましては、ラムサールに登録をされております他の地域の状況など詳しく説明し、農業関係者や漁業関係者などが不安に思っておられること、これらについてしっかりと答えていくことが大切であるというふうに考えております。  また、このようなことを通じて、市と地域が一歩ずつ理解を深めながら取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。  以上でございます。
    ◆川崎直幸議員   それでは、企画調整部長にお伺いしますけれども、先ほど環境部長はですね、荒尾関係に視察に行かれたということで、登録自治体に問い合わせたところ、鳥による食害がふえたということはなかったと。それと、空港に関連してバードストライクが増加したとは回答はなかったということで解釈しましたけれども、今現在、バードストライクの件数を示してもらいたいと思います。 ◎石井忠文 企画調整部長   バードストライクの件数を佐賀県空港課に確認をしましたところ、平成19年度51件、平成20年度37件、平成21年度49件、平成22年度51件、平成23年度28件、平成24年度26件、そして今年度は、10月末現在ですが、39件となっております。  これらのバードストライクを起こしている鳥の多くは、ツバメ、シギ、ヒバリなどの小型の鳥類であるため、飛行機が緊急着陸をした事例はないということでございました。  また、エンジンへの鳥の吸い込みによって点検や整備のために欠航した便数は、平成19年度に2便、平成20年度3便、平成21年度から平成24年度まではあっておりません。そして、今年度は10月末現在で1便あったとのことでございます。  同じく、欠航にはならなかったものの、点検や整備のために1時間以上遅延した便数は、平成19年度3便、平成20年度3便、平成21年度ゼロ、平成22年度3便、平成23年度ゼロ、平成24年度1便、そして今年度は10月末現在で4便あったということでございます。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   それなら、バードストライクの対策は県はどのように対策されているんでしょうか。 ◎石井忠文 企画調整部長   バードストライクを防止するための対策といたしまして、佐賀県では、滑走路周辺から鳥を排除するために、航空機の離発着時や他の時間帯においても、定期的に爆音機の使用や滑走路上での実弾や空砲による威嚇を行うバードスイープが行われております。さらには、安全確保に必要なエリアでの鳥の駆除も実施されているほか、滑走路周辺の草刈りなどにより、鳥や鳥の餌となる虫などが集まらないような環境対策も行われているということでございました。  以上でございます。 ◆川崎直幸議員   今後ですね、この佐賀空港はですね、国際空港、そして、アジアの玄関口のハブ空港ということで県も前向きに取り組んでいるだろうと思いますけれども、今後このバードストライクの対応に追われていくと思うんですけれども、ラムサール条約湿地登録されればですね、鳥獣の捕獲行為が原則禁止されますが、県としてこれに関してどのような考えを持ってあるんでしょうか。対応されたんでしょうか。 ◎石井忠文 企画調整部長   空港管理者であります佐賀県空港課に確認をいたしました。県の見解といたしましては、航空機の安全な運航は空港管理者として最も重視すべきことであると考えていると。したがいまして、ラムサール条約登録によってバードストライクの発生回数がふえないか、また、航空機の安全運航のための工作物の設置に制限がないか、また、将来の施設、空港施設の拡張に支障がないか、さらに、空港管理者として安全運航を確保するためにどのような対策がとれるかなどについて、慎重に検討し判断すべきだと考えていると、以上のような見解でございました。 ◆川崎直幸議員   慎重に検討を進めていきたいということでございます。  保健福祉部長にお伺いしますけれども、ことし3月に鳥インフルエンザの感染、人から人に感染する新型インフルエンザが中国、台湾で発生しました。感染者は130名、死亡者が40名と確認されていますけれども、この人から人に感染する新型インフルエンザ発生時の対応はどのように考えているんでしょうか。  この件に関しては、以前、福井章司議員が一般質問でされたと思うんですけど、福井章司議員は上海から飛ぶ関係でですね、佐賀空港に。しかし、この私が言わんとするところは、渡り鳥がこちらに来て、それがインフルエンザにかかって、鳥からまた人にうつって、人から人へうつる、それに対しての対応ですけど、どういうふうに考えているんでしょうか。 ◎田中稔 保健福祉部長   新型インフルエンザ等の発生時の対応についてお答えをいたします。  通常は鳥から鳥に感染する鳥インフルエンザウイルスが万一人に感染した場合や、さらに人から人への感染に変異し、急速な蔓延により生命、健康に重大な影響を与えるおそれのあるものが新型インフルエンザというふうに言われておりますが、まず、先ほど議員からも御説明がありましたが、鳥インフルエンザウイルスの人への感染については、ことしの3月末から6月にかけて、中国や台湾で発生をしておりまして、その際には、県から感染状況などの情報提供を受けまして、関係各課で情報共有を図るとともに、その対応を協議し、市民に対する注意喚起を行ってきたところでございます。  今後万一発生した場合でございますが、感染状況などに応じて、県が主体となりますが、県等からの本市への指示、要請などが行われるため、本市も関係機関と連携しながら対処していくことになります。  また、新型インフルエンザが発生した場合は、本市の新型インフルエンザ対応行動計画に沿って市民への情報提供、相談体制の確保、上下水道やごみ処理などのライフラインの維持、さらには、ワクチン接種の実施や医療提供体制の確保に向けた協力などを行いまして、市民への影響を最小限に抑えられるように努めることとしております。  いずれにしましても、本市としましては、感染状況や国、県などの対応状況を踏まえながら、県などの関係機関と連携して対処していきたいというふうに考えております。 ◆川崎直幸議員   それではですね、部長にもラムサール条約について、保健福祉部長としてですね、認識とともに、この県の考え方はどういうふうに考えるんでしょうか。 ◎田中稔 保健福祉部長   保健福祉部長としての認識ということで、ちょっと県のほうとはですね、十分な議論はしておりませんが、保健福祉部長としましては、鳥インフルエンザウイルスの人への感染、それから新型インフルエンザの発生は、ラムサール条約の登録の有無にかかわらず懸念される問題だというふうに考えておりまして、県を初め、関係機関と情報共有や、それから拡大防止対策など、万全の体制を常に考えていくべきものというふうに認識をしているところでございます。 ◆川崎直幸議員   それではですね、環境部長にまたお伺いしますけれども、今後この条約登録に向けて具体的にどのように進めていくつもりなのかお伺いしたいと思います。 ◎竹下泰彦 環境部長   今後の方向ですけれども、まず環境省において登録が可能なエリアについて現地の調査が実施されるというふうに考えております。一方で、ラムサール条約に登録するには、佐賀県を初め、漁協、農協、猟友会、観光協会、商工会など関係団体の賛意が必要でございます。関係者の皆様の御理解と御協力がないとラムサール条約登録はできないと考えておりますので、今後も引き続き関係者の皆さんに説明をしていきたいと思っております。  改めて申し上げますが、最初に申し上げましたとおり、私どもはラムサール条約を登録したことによって、すぐに鳥がふえるというふうに考えておりませんし、今までいろいろなところで聞いてきたところでも鳥がふえている状況はつかんでおりません。したがいまして、先ほどから質問があっておりましたさまざまなリスクに関しては、以前と変わらないというふうに思っております。  議員のほうからは、鳥がふえるという前提で御質問がされているように感じておりますが、議員が鳥がふえると考えておられる理由は何でしょうか。 ◆川崎直幸議員   あなたようそこまで言わるっですね。ふえると思って言いよっちゃないですか。そんなら証拠見せましょうか。あなた犬井道出身でしょう。あの海堂神社御存じでしょう。クスノキがあっとも御存じでしょう。あそこに四、五年前までシラサギがですね、四、五羽やったですよ。それから、この五、六年、今何羽ですか、150羽ぐらいおっですよ。ふえているんですよ。それで、あなたは実際にきょう行ってでんよかですよ。ふえるのは間違いない。ラムサール条約は、あれはふやすために−−載っているじゃないですか。 ◎竹下泰彦 環境部長   今現在、鳥がふえていることとラムサール条約にとって鳥がふえることとは私は違うと思います。ラムサール条約を登録したことによって鳥がふえること、つまり登録は机の上だけのことです。人間が何かをすることによって鳥がふえるかもしれません。じゃ、具体的に人間が何をすることによって鳥がふえるとお考えなんでしょうか。 ◆川崎直幸議員   ふえるって、大体条約にも載っとるごと、基準、9つの登録の基準があるじゃないですか。ここにはね、ちゃんと2万羽以上の水鳥をふやすようになっているんじゃないですか。ふやすようになっている。それと同時に、あと1点、この中の基準の中にありますよ、何条ですか、基準の8、逆に質問しますけど、結局は、この鳥が今何を食べて生息しているんですか、言ってみんですか。 ◎竹下泰彦 環境部長   以前から説明しているとおり、有明海の東与賀干潟は、シギ、チドリの観測数が日本で一番多い。そして、シギ、チドリというのは、鳥を見ていただければわかりますが、くちばしがとがっております。主に干潟の中に生きている生き物を食べております−−というふうに私どもは理解しています。 ◆川崎直幸議員   このね、基準8、魚介類の重要な餌場であり、また、産卵場、稚貝の生育場である湿地条件があるわけですよ。  今ですね、大授搦、平和搦、あそこの潟は物すごうね、稚貝、稚魚が多い。しかし、今はね、稚貝、稚魚がなくなっている。なくなっているのはアゲマキ、ムツゴロウ、ワラスボ、メカジャ、全部鳥が食べているんですよ。それは事実で、漁民が実際に写真も撮っている。証拠見せてでもよかですよ。  あなたがそう言うなら、どう思いますか、そしたら。 ◎竹下泰彦 環境部長   ラムサール条約というのは、我々が、人類が、さまざまな形で湿地を埋めてきた、それはやっぱり埋めやすかったから、利用しやすかったから。そして、我々の生活によって湿地にさまざまな負荷をかけた、これによって湿地が失われてきた、この反省に立っております。そのために、これから湿地を回復させていこう。で、湿地を子孫に残していこうという精神であります。  有明海の干潟を見ると、やはり同じようなことが起きています。大規模な干拓によって有明海の一部は失われ、その影響も大きい。潮受け堤防もつくられています。ダムによるというのもあります。いろんな影響があって、人類の営みによってさまざまな湿地に−−湿地というか、我々の場合は干潟。干潟に影響を与えて、干潟が疲弊している状況があると。それを何とかしたいというのがラムサール条約の精神です。それはまさに我々が思っている有明海再生そのものではないでしょうか。有明海を再生することによって、いろんな生き物がふえ、アサリがふえ、アゲマキがふえ、そうすれば当然ゴカイや小さなカニもふえます。それらの生き物がふえることが有明海の再生の最終的な目標ではないでしょうか。  それに対して、そのときに、その結果として、それらを捕食する鳥がふえるかもしれません。でも、ラムサール条約登録そのものによって鳥がふえるという状況にはならないと私は考えております。 ◆川崎直幸議員   先ほどアゲマキのね、生息、有明海再生というです−−さっき言うたじゃないですか。アゲマキはどうして育つか知っとるんですか、アゲマキは。稚貝ができて、小さい豆粒、米粒ぐらいみたいのが全部干潟に来るんですよ。あれが1センチ、2センチ、3センチになったときに、ちょうど大授搦の先の砂地にすみついとった。しかし、全部渡り鳥が食べていきよるわけですよ。  そういうふうな中でね、あなたがそういうようなことを言うならですね、私自身はね、条約登録に向けてすれば、やっぱり法の網がかかるから、そして、佐賀空港もいろんな、バードストライク関係もある、いろんな諸問題があるからね、慎重にデメリットを出していこうじゃないかということを言いよるとですよ。  その次、副市長に行きましょう、もう時間がありませんから。いいですか、何か言いたいことのあったら、また言うてよかですよ。  この検討委員会は副市長−−御厨副市長がね、委員長であります。私から言えばですね、山田議員がいつも質問されていた、2回ほど聞いた。前向きにですね、検討−−メリットだけがちょっと私解釈しよったもんですから、デメリットが全然出ないというように私が感じとったのでこの質問をしたわけですよ。  今後、委員長としてですね、課題や問題点も多く、十分な議論を進めてほしいと思いますけれども、その点どうでしょうか。 ◎御厨安守 副市長   今いろいろ議論がされておりました。確かに意見をいろいろ聞いてですね、その内容については丁寧に説明していって、問題を解決していかないと、この条約登録にはならないというふうに思っています。  関係方々に対しましてはですね、いろんな意見を聞きながら、それに対する説明を十分していくことによってですね、進んでいくのかなと思っています。そのように我々は進めていきたいと思っております。 ◆川崎直幸議員   御厨副市長は委員長であります。その中で今後調整していくということでございますけれども、県の考え方は御存じでしょうか。今現在、県の考え方。 ◎御厨安守 副市長   県知事が平成17年にですね、県議会の一般質問で、非常に専門家の意見等を聞く中ではですね、このラムサール条約については難しいというふうな話があったということは承知しています。  そのためにですね、我々といたしましては、県の賛意を得ないと進められませんので、先ほど環境部長も言いましたように、県に対してバードストライクの問題とか、あるいは農林水産業に対する県の考え方、この辺についてもですね、説明をしながら理解を得てもらうように、ずっと協議をしているところでございます。 ◆川崎直幸議員   まさしく平成17年6月定例議会で一般質問されております。これに対してはですね、東与賀の大授搦のラムサール条約の湿地登録について、11月の締約国会議に向けた県としての取り組みということであります。読みます。これは答弁です、知事の。  「私もこの有明海の大授搦がそういう候補地になり得るのではないか、そういうふうなことをお聞きしたときに、非常にわくわくといたしました。そして、直ちに事務当局に果たしてこれが可能なのかどうか、検討を命じました。その結果、これまた後ほど関係部局長の方から御答弁を申し上げますが、湿地登録のためには、鳥獣保護区の特別保護地区という指定が必要になってまいることがわかりました。その指定がなされますと、当然でありますが、鳥がふえてまいります。そうしますと、ノリ、麦といった農漁業へ影響が出てまいります。また、大授搦のすぐ近くにあります佐賀空港におきまして、航空機と鳥との衝突−−バードストライクと言っておりますが−−の発生が増加することが懸念されるということがわかりました。こういう検討は内部で行っておりましたが、さらに詳しい鳥類や航空行政の専門家などに御意見を伺いましたところ、空港近くに鳥獣保護区を設置することについては、鳥がふえてバードストライクの発生が増加するということが予想されるので、航空機の安全性を疑問視する意見がほとんどでございました。私も大授搦をラムサール条約湿地に登録するということについて、非常に期待をしているところではありますが、このような専門家の意見を踏まえると、空港管理者でもあり、航空機の安全運航を最優先しなければならない県としては、ラムサール条約湿地の登録に向けた取り組みを進めることは難しいと考えておりまして、別の形でこの大授搦が多くの人が知り、訪れるところとなるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。」と、こういうふうに答弁されておるわけですよね、知事が。あれからもう8年ばかりかかっとるです。知事の考えも変わっとるかもわからんです。別に私も、ただただ、これに対してですね、何というですか、ストップかけるつもりはないわけですよ。市が前向きにしよっけんが。  そういう意味でですね、やっぱり各関係、県、各種団体、いろんな方々とですね、いろんな協議をしながら、ただただメリットだけを出さんで、デメリットも出してですね、やっぱり協議をしていってもらいたいと、そういうように思っております。どう感じますか。 ◎御厨安守 副市長   はい、先ほどですね、知事の答弁を言われました。確かにですね、県の考え方の中ではですね、いろいろな問題があるということは言われています。ただ、知事もその中に、先ほど言われていました、その東与賀のですね、大授搦のラムサール登録についてのメリットというかですね、そこは非常にあるということは期待を持たれているという表現をされましたように、あるということは言われております。  我々といたしましてもですね、いろんな関係機関と協議、調整して理解を得ていくことが非常に大切ですので、その辺は十分していくつもりでおりますけれども、先ほど言われたですね、日本一のノリの産地である有明海、あるいは、シギ、チドリの日本一の飛来地であるという、この辺を踏まえましてですね、関係機関とも十分協議、理解をお願いしながらですね、進めていくことが大事だと思っていますので、そのように取り扱っていきたいと思っています。 ◆川崎直幸議員 
     わかりました。ありがとうございました。  続いて、ごみ処理施設の統廃合について質問をしたいと思います。  川副・東与賀清掃センターの廃止とごみ処理方法の変更について、川副地区、東与賀地区で住民説明会を開催していると聞いていますが、これらの住民説明会の開催時期や説明の内容等はどうなっているのかをお尋ねしたいと思います。 ◎竹下泰彦 環境部長   さきの8月議会において、ごみ処理手数料の条例改正を提案し、可決いただきました。これを受け、11月19日から12月1日の間に、川副町、東与賀町の住民説明会を開催したところでございます。川副町で10回、東与賀町で5回、合計15回開催し、出席者は762人でした。  説明会での内容でございますが、川副・東与賀清掃センターを廃止し、ごみ処理を高木瀬の清掃工場に統合すること、その跡地に可燃ごみ、そのほかのごみなどを直接搬入できる南部中継所を設置すること、ごみの分別方法や指定袋の変更に関すること、川副、東与賀地区で取り組まれていたリサイクルサンデーの廃止と自治会主体で取り組む資源物の集団回収への移行のお願いに関することなどでございます。 ◆川崎直幸議員   ちょっと時間がないもんで飛びますけれども、この最終処分場についてですけど、この最終処分場は来年以降はどうなるんでしょうか。 ◎竹下泰彦 環境部長   川副・東与賀清掃センターの今後の姿ですけど、当面の間、この場所については南部中継所として運営していきたいと考えております。しかし、いずれ焼却施設の解体を行う時期が来るため、今後、周辺地域の住民の方々の意見をお伺いしながら、最終的には全市的な計画の中で南部中継所のみの施設とするのか、そのほかの機能を付加させるのかなどを含め、跡地をどのように活用したほうがいいのかを検討していきたいと思っております。  したがいまして、現在のところはまだ跡地の今後の姿を見出すまでには至っておりません。 ◆川崎直幸議員   もっとこの件に関しては質問したかったんですけど、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇これで終わります。 ◆池田正弘議員   それでは、通告に従い、順次質問いたします。  初めに、買い物弱者対策について質問をいたします。  さきの選挙戦において市民の皆様から寄せられた声で多かったのが、日々の買い物に困っているということでした。歩いていけるところにお店がない、雨のときには移動手段がなくて買い物に行けない、重たいものを買ったときに持ち運びができないなど、高齢者や障がいを持った方からの声でありました。これは、ある特定の地域に限らず、市内の至るところから聞かれることでもありました。  経済産業省では、買い物弱者とは、住んでいる地域で日常の買い物をしたり、生活に必要なサービスを受けたりするのに困難を感じる人と定義され、高齢者を中心に全国で約600万人と推定されています。また、農林水産省では、買い物弱者のことを、生鮮食品を販売する店舗までの距離が半径500メートル以上、かつ自動車を保有しない者と定義され、全国で約910万人いると推定されています。いずれにしても、今後、高齢化の進展とともに増加していくものと思われます。  私はこのことに関し、これまでにも質問を行った経緯もあり、改めて質問をさせていただきます。  まず、平成21年度より地域コミュニティマート事業を立ち上げ、買い物弱者への対応の検討がなされておりますが、その取り組み状況について改めてお伺いします。また、民間やNPOなどで行われている買い物弱者支援の取り組み状況はどうなっているのか、お伺いします。  次に、がん検診について質問します。  国民の2人に1人が発症し、3人に1人が死亡すると言われているがん。がんによる死亡者数は年間36万人で、20年以上もの間、死亡原因第1位はがんとなっています。また、男女ともにかかる人の数が多いのは胃がん、肺がん、大腸がん、肝がんで、女性ではトップの乳がんが加わるということであります。がんは怖い病気ですが、早期に発見し、転移しないうちに治療すれば治らない病気ではなくなってきています。  そのがん対策の一つの柱である、がん検診の重要性については、市民も十分承知をしているところではありますが、さまざまな理由から受診率の向上に結びついていないのが現状ではないかと思います。また、検診で異常ありと判定された場合でも、最終的にがんと診断される人はそれほど多くはないことも知っておく必要があります。したがって、要精密検査の診断があった場合には確実に受けることが重要であります。そのことも踏まえ、質問をいたします。  まず、検診項目ごとの受診率の推移について、過去5年を比較してどうなっているのか、お伺いします。  続いて、子どもの貧困対策について質問します。  子どもの貧困については、定義は定かにはなっていませんが、長崎大学の小西祐馬准教授によると、「子どもが経済的困難と社会生活に必要なものの欠乏状態に置かれ、発達の諸段階におけるさまざまな機会が奪われた結果、人生全体に影響を与えるほどの多くの不利を負ってしまうこと」とあります。つまり、子ども時代の貧困は進学や就職の選択肢を狭め、みずから望む人生を選び取ることができなくなるということであります。  厚生労働省が発表した2009年の数字では、子どもの貧困率は15.7%、ひとり親世帯の貧困率は50.8%となっています。その背景には、不況によるリストラや失業、非正規雇用やパート労働の増加があり、また、離婚、再婚の増加による家族の多様化があると言われています。  家庭の経済状況の格差が子どもの教育機会の格差となっていることがしばしば報道されていますが、こうした中、厚生労働省が2010年4月1日付で被保護世帯の子どもの高校進学率を調査した結果、文部科学省が毎年度行っている高校進学率と比較して大きな格差があったと言われています。それによりますと、2010年3月に中学校を卒業した子どもの98%が高校に進学していましたが、このとき被保護世帯の子どもは87.5%しか進学しておらず、10.5%もの格差がありました。また、被保護世帯の高校進学率の格差は都道府県間にも大きな差があり、格差が最も大きいのは何と佐賀県で、26.5%であったということであります。家庭の経済状況だけでなく、住んでいる地域の施策や制度の運用状況によっても制約を受けていることが伺えます。  こうしたことを受け、ことし6月に子どもの貧困対策推進法が衆参両院の全会一致で可決、成立しました。この法律は、子どもの将来がそのまま生まれ育った環境によって左右されることがないよう、子どもの貧困対策を総合的に推進することを目的とし、その対策として教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援を講じることとしています。また、国や地方公共団体に子どもの貧困対策の策定、実施と子どもの貧困に関する調査、研究を義務づけています。この法律を実効性あるものとするためには、国の各省庁、自治体においては各部署間の連携を欠かすことはできません。そういった意味では、一人一人が共通認識に立って対策に当たることが重要であると思います。  そこで質問ですが、まず、教育委員会として、子どもの貧困に関してどう認識をしているのか、あわせまして、佐賀市における就学援助の認定者数と認定率の過去5年間の推移をお伺いして、総括の質問といたします。 ◎池田剛 経済部長   私は、買い物弱者対策に関する御質問にお答えをいたします。  近年、いわゆる買い物弱者の増大が問題となっておりますが、佐賀市におきましては、過疎地域だけでなく、市の中心部でも自家用車を御利用にならない高齢者や障がい者などにとって日常の買い物が困難な状況が生じてきております。この問題を解決するための方策を探るため、佐賀市では平成21年度から地域コミュニティマート事業に取り組んでいるところでございます。  まず、平成21年度は、環状線内の商業施設の実態調査を行い、その結果に各地域の高齢化率を照らし合わせて買い物弱者が多いと思われる地区を推定いたしました。こうした地区を空白地帯と定めて地図に落としたところ、赤松校区、日新校区、そして循誘校区に空白地帯が多いということが判明したものであります。その後、最も空白地帯が多い赤松校区において、野菜、魚を主とした仮設店舗販売を9日間実施をいたしました。2年目の平成22年度は、日新校区におきまして27日間、移動販売を実施いたしました。さらに3年目の平成23年度は、循誘校区におきまして食品、食材を取り扱う13社、それから日用品の3社、住まい暮らし関係の9社によります既存店舗の宅配リストを作成し、校区内世帯に配布を行いました。平成24年度は、この3カ年の実証実験の結果を整理し、本格的な支援事業実施のための基盤づくりを行い、平成25年度は循誘、日新、赤松校区において宅配サービスを行う店舗をまとめたカタログを作成し、校区内の全世帯に配布をいたしたところでございます。  次に、佐賀市内で民間事業者やNPO法人等が行っている買い物弱者支援対策につきましてでございますが、スーパーや生協、それからJAなどにより宅配やネット販売といった買い物支援のサービスが実施されております。また、生鮮食品などの移動販売を行っている事業者もいらっしゃいます。また、大手のショッピングセンターグループや運送会社、コンビニ等にもそういった動きがございます。しかしながら、それぞれの利用者数などの詳細につきましては、把握していない状況でございます。  以上でございます。 ◎田中稔 保健福祉部長   私からは、がん検診について、がん検診の受診率についてお答えをいたします。  本市におきましては、国の指針に上げられております胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの5つのがん検診と独自で取り組んでおります前立腺がん検診の合わせて6つのがん検診を実施しているところでございます。このがん検診の受診率につきまして、平成20年度から24年度までの5カ年間の推移を答弁いたします。  まず、胃がん検診でございますが、平成20年度9.6%、24年度9.4%、肺がん検診は平成20年度が12.4%、24年度で12.9%、前立腺がん検診は平成20年度で10.9%、24年度で10.4%、この3つの検診はいずれも、ほぼ横ばいの状況にございます。  それから、大腸がん検診につきましては、平成20年度が10.6%、24年度が14.2%、こちらのほうは若干増加をしております。  それから、子宮がん検診は平成20年度が15.8%、これは平成21年度に約3%伸びて18.9%、その後、微増で平成24年度で20.5%となっております。  最後に、乳がん検診でございますが、平成20年度で11.4%、こちらのほうも平成21年度に約3%伸びて14%、その後、微増で平成24年度16.8%となっております。  以上でございます。 ◎貞富博文 こども教育部長   私からは、3点目の子どもの貧困対策についての御質問にお答えいたします。  子どもの貧困に関して、教育委員会としてどう認識しているのかという御質問にお答えいたします。  子どもの貧困とは、貧困世帯にいる子どもが、その世帯の経済状況により社会生活などに必要なものが与えられず、成長段階におけるさまざまな機会が奪われた結果、その後の人生に影響を受けるほどの不利益を背負ってしまうことであるというふうに捉えております。  生まれ育つ環境が貧困状態であると、安心した生活や成長発達が阻害され、健康、信頼、愛情など、子どもの発育の重要な時期において得るべきものが得られないという不利益が生じる可能性が高くなると考えられております。また、こうした状況は貧困の連鎖として継承されていくことも多いという問題も抱えていると言われております。  子どもの将来が、その生まれ育つ家庭等の経済状況によって左右されることがないようにしていくことは非常に重要なことであると考えております。そして、いわゆる子どもの貧困については、親の責任、家庭の問題として捉えるのではなく、社会全体で取り組む必要がある課題であるというふうに認識をしております。  次に、就学援助の認定者数と認定率の過去5年間の推移についてお答えいたします。  平成20年度は認定者数が2,708人、認定率13.4%、平成21年度は認定者数が2,879人、認定率が14.4%、平成22年度は認定者数が3,228人、認定率が16.5%、平成23年度は認定者数が3,160人、認定率16.5%、平成24年度は認定者数が3,273人、認定率17.4%となっております。  以上でございます。 ◆池田正弘議員   それでは、一問一答に入ります。  まず、買い物弱者対策についてでございますけども、平成21年度から地域コミュニティマート事業が行われております。もうことし5年目ということでありますけども、これまでの実証実験を通してどういった課題が上がっているのか、これについてお伺いします。 ◎池田剛 経済部長   実証実験での課題でございますが、まず、もともと商売として事業収支が成り立たなくて商店が撤退した地域で、再び商売をすることの難しさを痛感しているところでございます。また、仮設店舗での販売とか移動販売による実験を行った場合に、販売場所の周辺で御商売をされている方もいらっしゃいます。こういった既存店舗との調整をいかに図るかという課題が浮かび上がってまいりました。さらに既存店舗からの宅配サービスによる販売では、配達するための人手不足とかコストがかかるという課題が見えてまいりまして、配達サービスの導入を断念される事業者が多くあったということでございます。 ◆池田正弘議員   やはりもともと商売として成り立たない、そういった立地というのがあるわけですけども、やはり人件費であるとか設備投資に費用がかかる、さまざまな問題があると思います。  それぞれ課題が上がっておりますけども、そういった課題を解消するために何が必要と考えられているのか、この点についてお伺いします。 ◎池田剛 経済部長   大変難しい問題でございまして、ちょっとくどらしくなりますが答弁させていただきます。  私どもが買い物弱者対策に取り組むに当たって、まず、2つの点に注意することが必要であるというふうに思っております。  1つは、先ほども申しましたように、既存店舗との共存の問題であります。結局、この事業をやることによって既存店舗が打撃を受けて撤退してはもうどうしようもないという、ますます買い物弱者がふえるということにつながります。  もう1つは、特にランニングコスト、行政の補助金でいつまでも継続する事業であってはならないということです。補助金がなくなった途端に事業がなくなってしまうということにつながるからでございます。  それから、この買い物弱者対策には幾つかの段階が必要ではないかということを感じております。まず、第1段階として消費者にはできる限り多くの商品の中から商品を選びたいという欲求があるということです。スーパーマーケットでの買い物がこれに当たります。で、次の段階として、スーパーよりも選択の自由度などそういったものは小さくても、店の人との会話を楽しみたいという欲求がございます。私に84歳になる母がおりますが、まさにこのタイプでございまして、近くのスーパーよりも私が子どものころからあります、もう非常に古い食料品店に通っております。そしてまた、動ける範囲が縮小していくと近くまで移動販売車が来るという方法が考えられます。そして、自力での買い物が困難になったときに宅配という手段が出てくるんではないかというふうに考えます。こういった幾つもの段階が皆さんのニーズの中にあるというふうに考えております。特に高齢者の方にとっては、少しでも外に出てコミュニケーションを楽しんでいただくことも大切な要素ではないかと思っております。  そこで、対策ということでございますが、事業採算性がとれなくなった地域で事業を成立させるということは非常に困難をきわめる問題でございます。こうした中で、1つ考えられることは、コミュニティビジネスとしてこの事業を行うことはできないかということであります。とはいうものの、コミュニティビジネスというのは理念とかイメージではわかっていても、いざ実施となりますと、なかなか難しい事業でございます。大手の運送業者のテレビコマーシャルに場所に届けるのではない、人に届けるのだというのがございます。買い物弱者対策というのは、単に食材などが家に届けばよいというものではなくて、それぞれの人の生活や要望を念頭に置いて考えていく必要があるのではないかと感じております。  こういった点で、今後は、福祉の部局とも連携をとりながら、対象となる方々に対してより丁寧な事業のあり方を検討する必要があるというふうに感じております。 ◆池田正弘議員   さまざまなことが考えられていると思います。また、市民の皆様のニーズもさまざまあって、一つ一つに行政が応えていくということは、全部に応えていくというのもまた無理な話かもわかりません。  ただ、先ほど部長が言われたように、コミュニティビジネスということで言われましたけども、やはりこういった買い物弱者対策がビジネスチャンスというか、そういったものにもつながってくるというふうに思いますし、先ほど福祉の部局とも連携をと言われますけども、非常にそこら辺も大事になってくると思います。  それでは、全国で、今、買い物弱者が、先ほど総括でも言いましたけども、600万人とも、あるいは農林水産省では910万人というふうに言われているということでありますけども、実際に佐賀市でどれくらい買い物に不自由している方がいらっしゃると見ているのか、その点についていかがでしょうか。 ◎池田剛 経済部長   食料品などの日常的な買い物が困難な状況にある方を買い物弱者と定義するといたしますと、具体的には近くに店がないとか、車を持たない高齢者や障がい者の方などが当てはまると考えております。  しかしながら、佐賀市では総括のところで答弁いたしましたとおり、空白地帯という考え方で、しかも、環状線の内側を対象に調査を行ってまいりましたことから、買い物弱者の方が市内全体でどの程度いらっしゃるのかという把握はしていないというのが実情でございます。 ◆池田正弘議員   その辺のしっかりした数字もですね、今回、細かく見てデータをとっていかなければいけないんじゃないかなと思います。  今、買い物空白地帯ということで3校区、特に重点的に行われていますけども、この間、10月の選挙戦で各地を回る中で、やっぱり至るところにそういった買い物に困っているという方がいらっしゃいます。そういった方々の声というのがどうやったら届くのか、そういった声を吸い上げていくことも、ひとつ大事じゃないかなと思います。  特に農林水産省でとっているのは高齢者のみの世帯とか、あるいは運転免許証を持たないそういった世帯とか、そういったものを含めてですね、ずっと統計を出していらっしゃるみたいで、恐らく全国で910万人というのはマックス状態のことじゃないかなと思います。したがって、600万人からマックスで900万人いると考えられているんじゃないかと思いますし、佐賀市内でもそういった計算をしていくと相当の方がいらっしゃるんじゃないかというふうに思います。特に古い団地で4階、5階にいらっしゃる高齢者の方は特にそういった不自由な思いをされている方がたくさんいらっしゃいますし、そういった声を聞いていく、統計をとっていくということも非常に今後は大事になってくると思いますけども、細かなデータをとるということは考えられないのか、その辺についてお伺いします。 ◎池田剛 経済部長   今、議員がおっしゃったように、多くの場所でそういったお声が聞かれたということでございます。どういったとり方をするのが最良のとり方であるかというのは非常に難しいことだと思いますが、単に高齢化率の高いところの、例えば、65歳以上が何人いらっしゃるからとか、車を持たない世帯が何世帯あるからということだけではなくて、さっき言いましたように、私どもがとりましたその空白地帯、近くにお店があればそれが困らないというようなこともございますが、先ほど議員おっしゃったように、実態をやっぱりきちっと知ることがですね、この事業の出発点になることは事実だと思いますので、何らかの形でそういったデータをとることに関しましては実施してまいりたいというふうに考えております。 ◆池田正弘議員 
     それからですね、実際、事業を行政が行う場合には、その課題というのもずっと挙げられていましたけども、その課題の解消のためには実際その人件費にどれくらいかかるのかとかですね、臨時で店舗を出したときに人件費がどれくらいかかるのか、あるいは移動販売なんかで、もう油代しか出らんもんねという話も聞きますし、実際赤字の額がどのくらい出ているとかですね、そういった統計、また、全国至るところではコミュニティバスとかデマンドバスを走らせて、そういった対応をされて、これは買い物弱者だけじゃなくて、普通の交通手段ということで対応されているところでありますけども、もしそういったバスを走らせるときにはどのくらい費用がかかるのか、実際そういったシミュレーションというか、そういったものを検証したらどうかと思うんですけども、この点についてはいかがお考えでしょうか。 ◎池田剛 経済部長   最初に申し上げましたとおり、これまでに地域コミュニティマート事業をやるに当たって、当時は3通りから4通り方法を考えました。仮設の店舗−−仮設とは限らないんですが、店舗を1つ設けるという考え方、それから移動販売を行うという考え方、それから配達をしていただくということ、それからもう1つですね、人を運ぶということも考え方の一つとして、実験として考えましたが、人を運ぶというのは非常に現実としてはやりにくいということで、実際に実証実験としては行っておりません。  その中で、移動販売の収支のみですね、出しております。それで、ほかの場合には実際にその店舗、仮設店舗の場合にはもうほとんど収益が上がらなかったというか、赤字に近かった状態であったというところ、それから、配達をするという事業に関しては、なかなかその利用者の方も利用していただけなかったり、それからやっぱり先ほど申しましたように、事業者の方も登録をなかなかしていただけなかったり、やっぱりコストがかかるということでの話でございました。  で、平成22年12月21日から平成23年2月26日までの約2カ月間、日新校区で火、木、土の週3回の移動販売実証実験というのを実施いたしました。このときの数字で申し上げますと、1日当たりの平均は売り上げで約3万2,000円、仕入れ費用が約2万6,000円、売り上げから仕入れ費用を引きますと粗利で6,000円になります。ここからですね、人件費とかガソリン代、車の維持費等の経費がかかりますので、もう収支といたしましては非常に厳しいなという、そういう結果が出たというところでございます。 ◆池田正弘議員   やはりそういった赤字というか、もうこれで食っていくことはできないということからですね、なかなか継続的に事業を行うということが難しいということだろうと思います。  そこでですね、全国では今、買い物弱者対策に取り組んでいらっしゃるところが先進的にあるわけですけども、そういった状況の中で、市や町で事業を展開するに当たって、そういった事業所であるとか、NPOが行う買い物弱者対策の事業に対して初期費用とか運営費などの一部をですね、助成する自治体というのが多く出てきております。金沢市では、そういった民間の事業者であるとか、NPOが店舗を出したり、あるいは移動販売をやりたいとかいうときには車代とか、バイクで配達する場合にはバイクの配達とか、そういった宅配とかのリストや乗り物に対する助成とかもですね、積極的に行って支えていこうという動きが見られます。  やはりもうここまで来てですね、もう5年実験をやって、これといった対策もとれない状況でありますので、やっぱり市としても、そういった民間の業者、あるいはNPOで何とかやりたいと、そういった買い物弱者のために事業を起こしたいという方のためにですね、ぜひそういった助成するような道も、今からはそういった検討も必要じゃないかというふうに思います。  きのう、宮崎議員の質問の中でも、中心市街地の中に若手の意欲のある方々がいらっしゃると、頼もしいことをおっしゃっていましたけども、そういった方々の背中を押す意味でも、行政としても期間限定ではなくてですね、ある程度長期的な支援、そういった助成もですね、今後検討していく段階に入ってきているんじゃないかなというふうに思うわけです。  ここまでもう5年目、この事業を取り組んで、今後どうしていくのかですね、今後の取り組みについてその辺を含めてお伺いしたいと思います。 ◎池田剛 経済部長   先ほどから申し上げておりますとおり、大変難しい側面を持った事業だと思っております。片や買い物弱者の皆さん方からすると、やはりその近くにお店ができてくれたり、それから配達をしてくれたり、いろんな移動販売があったりという、そういうことが出てくるのは非常に喜ばしいことであるという側面があると同時に、結構御高齢の方が多いんですが、小さな店舗を一生懸命長い間、もう本当に、先ほど申しましたとおり、私が小さいときからですから、もう50年以上続けて店を守っていらっしゃる皆さんもいらっしゃって、そこをやっぱり利用する方もいらっしゃる。で、そういったところを圧迫しないようにどうしたらいいかというのは非常に難しい問題でございます。  そういった中で、先ほど私が申しましたコミュニティビジネスというのが、そういったことを排除しながら上手に共存できるようなビジネスというのが考えられないかなというのは私が申し上げた内容でございまして、今後、検討が必要であると思います。  そういったものの中に、例えば、民間事業者とかNPOの方が出てこられたときに、先ほど議員が出された事例で補助している事例があるというふうなお話がございました。もしそういった補助を考える際にはですね、やっぱりランニングコストを補助していては、これはやっぱりどこまでも続いてしまって、やはりどこかでぱさっと切れたら、もうそれで事業が成り立たなくなるということが生じますので、やっぱりイニシャルを何らかの形で補助するということは考えられることだと思います。  今後、高齢化がどんどんどんどん進んでいきますので、このニーズというのはもう高まる一方だというふうに思っておりますので、先ほども申しました保健福祉部との連携、それから官民一体となった事業推進、こういったことは非常に必要なことだと思っておりますので、今後、とにかく先ほども申し上げました内容に沿ったですね、丁寧なというんですかね、あれでいいこれでいいじゃなくて、それぞれのニーズを聞きながら、どこに配慮してもきちっと成り立つような事業展開というのを何度も言いますけど、丁寧に事業展開を考えていきたいというふうに思っております。 ◆池田正弘議員   やはり補助をする場合にでも、やはりランニングコストは難しいということでありますけども、それはあると思いますけども、やはりそこまで考えていかないと、本当にこれは継続的にやっていくことはですね、もう無理じゃないかなと思います。本当にイニシャルコストだけでいいのかというのもですね、しっかり検討をしていただきたいというふうに思います。  それから、総括のほうで、今年度宅配リストを新たにつくって配布しているということでございました。昨年度、循誘校区のほうで実際宅配リストを配布されて、その後を受けて今回3校区で、日新、赤松、循誘校区でされているということでございます。これはですね、拡大されてよかったなと思いますけども、やはり冒頭言いましたように、至るところに困っている方がたくさんいらっしゃるわけで、3校区に限らずやっぱり広く事業者も募ってですね、また、必要とされる人にそれがお渡しできるような、そういった仕組みにしていくべきだろうと思いますけども、今、県のほうでも補助金でこういった宅配リスト等の作成についても補助もあるようでありますので、大変、今回こういう立派なですね、(資料を示す)カタログをつくっていただいています。3校区、大体39店掲載されているようでありますけども、非常に3校区だけに限ってしてありますので、もったいないという気もいたします。もっと広くですね、市民全員に行き渡るような、そういったカタログにしていただきたいというふうに思いますけども、この点についてはいかがでしょうか。 ◎池田剛 経済部長   今、議員がおっしゃったように、今年度は3校区に限って事業をさせていただいております。気持ちとしてはですね、やっぱりいろんなところに買い物弱者の方がいらっしゃいますので、全市にわたっていろんな事業、そこの地域、地域にふさわしい事業をそのカタログを含めてですね、広げていく必要はあるというふうに思っておりますが、当面、今の現時点ではですね、今年度その3校区に広げて事業展開をやっておりますこの事業がですね、どういった効果があらわれるかですね、これの検証をさせていただきたいというふうに考えております。それを受けて次の事業展開へと進めていきたいというふうに考えております。 ◆池田正弘議員   これもまた検証次第ということになろうかと思いますけども、もう平成21年度からですね、取り組んでやっていらっしゃることなんですよね。もう本当に方向性というか、そういったものをきちんと出していかなければいけないと思うわけですけども、その辺いつぐらいまでにきちんと、今後の買い物弱者対策に対する答えを出していこうと思われているのか、部長自身どうお考えでしょうか。 ◎池田剛 経済部長   もう必要性は重々承知しておりますし、先ほど、ちょっと長々と述べさせていただきましたように、この事業の必要性、それから皆さんの声、それから、私も自分の母親の状況とかを理解しておりますので、そういったものを含めて、とにかく事業につきましては、早期に推進できるようにやっていきたいというふうに考えております。 ◆池田正弘議員   非常に今回、選挙戦を通して感じたことでありましたので、質問させていただきました。今後ともですね、積極的に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。  それでは、次にがん検診について一問一答をさせていただきます。  先ほど総括のほうで5年前との比較をしていただきました。この中では、胃がん、肺がん、それから前立腺がん、これについては5年前とほとんど横ばい状態で来ているという状況であります。それから、子宮がん、乳がんについては、平成21年度から徐々に伸びてきて5ポイントほどずっと上がってきているような状況でございますけども、これらの要因をどのようにお考えなのか、これについてお伺いします。 ◎田中稔 保健福祉部長   受診率の状況、要因でございますけども、子宮がん、乳がん検診につきましては、平成21年度から国の施策として無料クーポン券の配付を行ったことで、受診率が先ほど申しましたとおり、初年度の平成21年度に約3%伸びたものの、その後は微増の状況でございます。  それから、そのほかのがん検診の受診率については、これは全国的な傾向ではございますけども、伸び悩んでおりまして、ここ数年、横ばいの状態ということでございます。  ただ、この要因でございますが、市民の声としましては忙しい、あるいは若いから健康に自信があるなどがありまして、本市としては受診環境の改善等に取り組んでいるところでございますけども、やはり市民への検診の必要性についての意識づけがまだまだ足りないのではないかなというふうに考えております。 ◆池田正弘議員   それではですね、受診率を向上させるために現在どのような取り組みをされているのか、これについてお伺いします。 ◎田中稔 保健福祉部長   先ほど申し上げましたけども、子宮がん、乳がん検診の無料クーポン券の配付に加えまして、市民の利便性を考えまして、全ての検診が半日で受けられる毎日健診を平成23年度から導入をしております。毎日健診は佐賀県医師会成人病予防センターのほうで平日は毎日、土日についても年間約30日実施をしているところでございます。この結果、平成23年度は若干でございますが、ほとんどのがん検診で受診率がアップをしております。  また、女性健診の日を設けまして、子宮がん、乳がん検診については、医師や検査をする技師が女性で対応することとしております。そのほかにも、子宮がん、乳がん、大腸がん、それから前立腺がんは個別検診も行っておりまして、近くの医療機関で受診できる体制を整えております。  また、子宮がん検診においては、これは全国に先駆けて平成23年度からHPV検査を導入しまして、実質的な受診率アップにつながっているところでございます。さらに大腸がん検診につきましては、これまで7月から9月までは休止をしておりましたけども、平成24年度から通年の実施として、こちらのほうも通年実施してから2%程度の伸びを示しております。  また、これまで受診勧奨について効果的な年代を模索しながら行っているところでございますけども、本市におきましては、先ほど議員のほうからもありましたけども、精密検査の受診勧奨にも力を入れているところでございまして、受診はしたものの精密検査を受けなければやっぱり検診を受けた意味がなくなってしまいますので、精密検査対象者には受診勧奨通知の送付や電話での勧奨などを行いながら精密検査受診率の向上にも取り組んでおりまして、こちらの受診率については、国の平均よりも高くなっているというふうな状況でございます。  以上でございます。 ◆池田正弘議員   いろいろ工夫をされて受診率向上に努めていらっしゃるということでありますけども、現状はほとんど横ばい状態で来ているというのが現状のようです。  そこでですね、少しでも受診率を向上させるためには、やはり市民の方が受診しやすい、そういった環境というか仕組みをつくっていくというのが大切だろうというふうに思います。  具体的に言いますと、胃がんの検診についてでございますけども、この件について、ことし6月議会において嘉村議員がその予防策として胃がんのリスク検診の導入を訴えておられました。この胃がんのリスク検査は、血液検査によってピロリ菌感染と萎縮性胃炎の状況を調べることで、胃がんの発生リスクを分析して、胃がんの早期発見と予防を行うというものであります。この胃がんのリスク検査を全国各地で取り入れているという状況でございます。胃がんのこの原因というのは、95%がピロリ菌ということが判明しております。この菌の感染は、生まれてから10歳ぐらいまでに感染して、10代では大体10%以下、それに対して50代では約50%、60代では80%の方が感染をしているというふうに言われております。そういったことを考えると、佐賀市でも胃がんリスク検査の導入をやっぱり急ぐべきというふうに思います。  さきの6月議会での答弁では、今後、研究していきたいということでございましたけども、その後、この件についてどのようにされたのか、この点についてお伺いします。 ◎田中稔 保健福祉部長   胃がんリスク検診の検討の経過について御説明をいたします。  胃がんリスク検診につきましては、群馬県の高崎市と東京都の目黒区に視察を行い、現在、検診の精度や費用対効果も考慮しながら検討を進めているところでございます。  胃がんリスク検診のメリットとしましては、血液検査で済みますので、受診者への負担が軽いこと、そのため受診率アップも見込めること、また、ピロリ菌感染の有無がわかることで除菌につなげ、胃がんの発生を抑えるなど、早期の対応ができることが挙げられます。反面、視察した自治体では、現在、本市で行っておりますエックス線検診と併用して胃がんリスク検診を実施されておりまして、経費的には従来の状況に上乗せをしなければならないという状況があります。  また、平成24年度のがん発見率を比較しますと、胃がんリスク検診の受診者での胃がん発見率は高崎市が0.03%、目黒区が0.2%ということで、佐賀市のエックス線検診のがんの発見率0.2%と変わらないか、それよりも低いというふうな状況でございます。  ただ、がん発見率につきましては、胃がんの罹患状況によって異なってくること、それから、これまで胃がんリスク検診を行ってきた自治体ではリスク管理ができているために発見率が低くなっている可能性もございますので、これだけで今後の実施を判断することは難しい状況でございます。  それから、視察地以外の先進地への照会を行ったところ、胃がんリスク検診のみを実施しているところもございます。また、胃がんリスク検診とエックス線検診を併用して行っているところがやはりございます。  今後は、胃がんリスク検診とエックス線検診を併用して行うのか、あるいは胃がんリスク検診だけでも問題ないのか、専門家の意見等も聞きながら実施について検討を行っていきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆池田正弘議員   これは、先進地を高崎市、それから目黒区に行ってこられたということであります。メリット、デメリットあると思いますけども、やはりこのピロリ菌を検査することによって胃がんになるリスクをですね、早く発見できると。また、予防できるということであります。エックス線の検査と併用するかどうか、これは考え方いろいろあると思いますけども、同じく東京の東大和市では、ことしの2月から始まったこのピロリ菌の除菌治療に健康保険が適用されるということを受けて特定健診のときにですね、このピロリ菌の検査を同時に行うということをされたという話も聞いております。  この胃がんのリスク検診は胃がんそのものを発見する検診ではありませんので、従来のバリウムとの併用でするのがベストだと思いますけども、この辺もですね、しっかり検討していただいて、早期に佐賀市でも実現できるようにですね、お願いしたいというふうに思います。  それから、ほかの検診においてもですね、各地でさまざまな取り組みが行われています。例えばですね、京都市では、大腸がん検診で便潜血検査の受診者をふやすために、希望者に対して問診票や検便の容器を郵送して、それをまた返送してですね、病院で検査するという方式を導入されております。  また、長野県では、これは肺がんの検診ですけれども、長野県の77の市町村のうち、3分の2に当たる49の市町村で従来の胸部エックス線検査に加えて肺がんのCT検査を実施されているということで、このことによって小さながんをですね、発見できるというメリット、また、受診される方の負担も非常に軽いということで、そういったことを導入されているということもあります。もちろん地域性、また、さまざまな要因を考慮しなければいけませんけども、やはり佐賀市なりのそういった検診率をアップさせるためのそういった仕組み、また環境づくりをですね、していくべきだというふうに思いますけども、この点についてどうお考えでしょうか。 ◎田中稔 保健福祉部長   佐賀市としましても、両市の取り組みや先進地の取り組みなど参考にしながら、今後もさまざまな工夫をしていきたいというふうに考えております。  幾つか対策についてお答えをさせていただきます。  まず、1点目としましては、個別受診勧奨や再勧奨など、受診勧奨の方法を先ほど申しましたが、工夫して継続受診につなげていきたいというふうに考えています。  2点目としましては、保健師の地区担当制を今年から行っておりますので、地域と密着して健診のPRをしていきたいというふうに考えております。  そのほか、健診会場まで遠いという市民の声への対応策としまして、今年度は公民館のほうで出前健診というかですね、公民館で特定健診と前立腺がん検診を実施しております。場所の都合で全てのがん検診を同時に実施はできませんでしたが、受診者の方には、がん検診も何らかの方法で受診していただくようにそのときに勧めておりますし、初めて受診された方が来年度も継続して受診していただくように健診現場での意識啓発に今努めているところでございます。  ちなみに公民館健診、11月から始めまして2月まで各地区の公民館でそれぞれ日を定めておりますけど、1日でございますが、実施をしていますので、ぜひそちらのほうで受診をしていただければと。特定健診も伸びておらないというところでございますので、御協力をお願いしたいと思います。  また、今年度、幼児健診に見えた保護者にも受診勧奨を行っておりまして、そのときにやはり託児についてお尋ねの方が多かったため、来年度は毎日健診の場において試行的に託児も取り入れてみたいというふうに考えております。  このように、今後もさまざまな工夫をしながら、受診率のアップにつながるように努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆池田正弘議員   ぜひですね、佐賀市なりの工夫をしながら受診率を上げていただいてですね、これは行く行くは医療費の適正化につながっていくことでありますので、ぜひ真剣にですね、取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。  それでは、次に子どもの貧困対策についてお伺いをいたします。  この子どもの貧困対策については、非常に幅広い、ちょっと大きな問題でございますので、少し絞っていかなければいけないと思いますけども、まず、この貧困状態にある家庭の子どもが制服を購入することができなくて入学式に出席できなかったりとか、あるいは部活動の費用が払えないために入部を諦めるとか、また、高校や大学の進学を断念するなど、一般家庭に比べてさまざまな選択の制限を受けているというふうに言われているわけであります。そのような子どもたちに対して、佐賀市としてどのような支援をされているのか、ここからお伺いします。 ◎貞富博文 こども教育部長   経済的に困窮している家庭の子どもに関して教育委員会で行っている経済的支援といたしましては、小・中学生に限って申し上げますと、就学援助制度があります。就学援助制度では、認定基準に該当する世帯の保護者に対して新入学用品費、それから学用品費、給食費、修学旅行費、医療費などの助成を行っております。  また、保健福祉部所管の福祉の制度ではありますけれども、生活保護世帯に対しては教育扶助の制度がございます。教育扶助におきましても基準額、学級費等、それから教材費、給食費、校外活動参加費、学習支援費などが支給をされているところでございます。 ◆池田正弘議員   やはり支援と言っても、やはり限られているわけであります。現実問題として貧困家庭の把握というものをどのようにするかということは、一つの大きな課題だというふうに思いますけども、総括でも言いましたけども、要保護、あるいは準要保護家庭の把握というのは数的には把握できると思いますけども、それ以外の貧困状態にある家庭の把握というのは非常に難しいと思いますけども、実際、現場でどのように行われているのか、この点についてお伺いします。 ◎東島正明 教育長   学校現場での貧困状態、特に支援を受けていない家庭の子どもということでございますが、子どもたちは貧困に限らず、いろんな条件で学校の中での生活が変化をしてまいります。また、様子が変わってまいります。そういう意味で、学校においては、まず朝、子どもたちが登校したときに子どもたちの様子を十分観察するようにしているのが、まずスタートでございます。朝の健康観察というふうに私たちは呼んでおりますけれども、ここの中で子どもたちの様子を観察をして、子どもたちが抱えている背景を、言うならば探っていくというのが大きなポイントでございまして、子どもたちとの挨拶や会話や、あるいは子どもの表情、顔色、あるいは服装、身だしなみ、そういうものから言うならば子どもの心の中を見取るということが大事だろうというふうに思っております。そういう意味で、朝の健康観察はとても重要な位置づけになっているわけでございます。  また、ここで観察をしたからいいという問題ではなくて、授業を通しながらもこれはやっていくと。と言いますのは、例えば、授業中には必要な学用品がそろっているのかどうか、あるいは学習意欲があるかどうか、こういうこともひとつ子どもたちから様子を知るきっかけになります。また、給食の時間、これも大きなヒントが隠されております。食事のとり方、あるいはおかわりの仕方、こういう中に子どもたちの背景が見える場合が多くございます。どちらにいたしましても、子どもの学校生活での状況の変化に気づいた場合には、やはり子どもの心情に配慮をしながら、家庭での様子を尋ねてみたり、他の教職員から情報を収集したりしているところでございます。
     また、ほかにもいろんな機会がございます。例えば、家庭訪問、あるいは保護者面談、こういう中にも子どもの家庭生活を知るきっかけがございます。そしてまた、校納金の滞納状況とか、定期健診で治療勧告を受けているのに受診をしていないとか、あるいは発育測定での伸びが著しく低いとか、そういうふうなところは特に事務職員や養護教諭との連携が必要でございまして、そういうところから組織として子どもたちを見取るようにしているところでございます。 ◆池田正弘議員   いろんな児童・生徒の表情、行動、そういうのも観察しながらですね、子どもたちをしっかり見ていくということが大切かと思います。  一方で、総括でも述べましたように、一般家庭と被保護世帯の子どもの高校進学率に大きな格差があるというふうに言われております。  また、教育費をかければ成績は上がるという説もございますけども、これに対しては数多くいろんな議論があると思いますが、興味深い調査結果というものがあります。お茶の水女子大が行った小学校6年生における学校以外での教育費の月間支出額と算数のテストの成績を調べた結果であります。これによりますと、塾の月謝や家庭教師等の学校以外の教育費の月間支出額がゼロ円の家庭では算数のテストが35点であったと。それに対し、5万円以上の支出では78点というふうに2倍以上になったと。学校外の教育費をかけるにつれて学力は高まっている傾向というのが見てとれるわけですけれども、考えたくはありませんけども、貧困によって塾などの学校外教育費に予算をかけられない家庭の子どもの学力というのが、ほかの子どもと比べて落ちているのではないかと危惧をいたしますけども、教育委員会として、貧困が原因となる学力差についてどのように認識しておられるのか、この点についてお伺いします。 ◎東島正明 教育長   今、教育費と成績のことをおっしゃられましたけれども、確かにお金をかければ成績のほうも伸びていくという、この因果関係はあるだろうというふうには思います。ただ、学校は必ず教育課程に盛られている学習指導要領、これを確実に身につけさせるという責任がございます。そういう意味からは、学校での学びというのは全てに保障してあげたいというのが私の願いであります。  確かに衣食住が満たされずに学習に身が入らない、あるいはやる気が出ないといった学習意欲の低下、これは見られる可能性は随分ございます。そして、それに伴って学力が不十分となるということも考えられます。また、当然ながら学習定着というのは家庭学習との連動でございます。家庭がその子どもの学習に小さいころからかかわり切れないということで、学習習慣がほかの子どもに比べて乏しくなると、その分、学力低下は想定されるということになります。  したがいまして、貧困の問題というのが単なるお金の問題だけではなくて、いわゆる学力の格差、あるいは学歴の格差、こういうところにもつながっていくだろうというリスクは抱えているというふうに私は考えます。 ◆池田正弘議員   時間もなくなりましたので、これで最後になるかと思いますが、私は先月行われました九州教育学会のシンポジウムに参加をいたしました。ここには佐賀市教育委員会からもパネリストとして参加をされておったわけであります。その中で、貧困家庭の把握には教職員の感性が問われるという話がございました。教職員同士の共通理解と意識向上が大きなポイントになってくるというふうに思いますけども、教育委員会として今後どのように取り組んでいかれるのか、この点についてお伺いします。 ◎東島正明 教育長   感性の問題、非常に大切であり難しい問題でもございます。ただ、少なくとも正しい知識を持たないと、なかなかその感性も磨き切れないという部分もございます。そういう意味から、やはり正しい情報を共有し、あるいは正しい知識を文献や研修等で学ぶということは、まず前提になります。  それから、私は教員の資質の一つに、やはり子どもたちを見る目、俗に私は観察眼というふうに言っていますが、日々の子どもの教育活動を学校生活の中で見る目、やはりこれを養っていかなければいけないと。そして、子どもの言うならば表面、いわゆる行動の変化によってそれを見るならば、それから子どもの心を知るという、これはもう教員にとっては絶対必要な資質でございます。そういう意味で、今後とも感性を磨くという視点からは、教職員とともに頑張ってまいりたいというふうに思います。 △散会 ○黒田利人 議長   本日の会議はこれで終了いたします。  明日は午前10時に再開いたします。  本日はこれをもって散会いたします。      午後3時04分 散会...